先日行われた
ケアクラウンの講演会&ワークショップ。
最後まで出られなかったのが残念だったけど、前半の講演会ではいいお話を聞けた。
講師は、現
日本クリニクラウン協会の事務局長兼アーティスティックディレクター
塚原成幸さん。
育成者ではあるが、ご本人自身も現役のクリニクラウンとして活動をされている。
以前、彼のドキュメンタリー本を音声化させていただいたことがあり、基礎知識は入っていたつもりだったが、
新しい発見をまたいただいてきた。
さあ、みなさんにこれをくばりますよ、と「風船」を手にして声をかけたら、人はどうするか。
ほとんどの人が、目に見えているものを「風船」という単語で認識し、その先入観から、それを「膨らます」ことを想像する。
なかには、さっそく、ほっぺたの体操をしてふくらます準備をする人もいたりするという。
ちょっとまって。ほんとに、そう?
この風船にたとえておはなしが続く。
既成概念にとらわれて、「風船はふくらますもの」という対応を先に決めてしまわず、相手の「今」を見て、
無心で向き合ってみれば。
塚原さんは、風船と遊ぶ。のばしてゴムパチンコのように天井に飛ばしてみたり、
伸ばして遊んだり、ふくらましたら、縛らずに口を押さえて空気を抜きながら風船に歌を歌わせてみたり。
ね?既存の知識だけで考えずに柔軟性を持って相手を見れたら、目線が変わるでしょ?
価値観が、変わるよね。 きちんと相手の「今」をみると、それが、ものでも、人でも、
それは可能性にあふれた存在になるはず。
そんなお話から、院内で関わるこどもたちのはなし、関わり方、ひとつの出来事に対してのポジティブとネガティブ。
いろんな側面から心理にかかわるお話が続く。
強く印象に残ったのは、「挑発してくるこどもたち」のはなし。
病院に行くと喜ぶ子供ばかりではない。
しかともあれば、不快感を顔にだしたり。
「あっちいって」「もう来るな」「ひまなの?」「よそへいけばぁ」など、
一見拒否にとれる言葉を投げてくる子どももいるという。
そんなときは、無理押しせず、ゆっくり時間をかけて「関わり」を持って行くという。
「よそへいけば?」の言葉に声のトーンを少し落として、
「ううん。よそには行かない。君に会うために、ここにくるんだもの」と視線を外さず答える。
そんなことを繰り返しながら、いつのまにか、こどもたちは、クラウンとのかかわりを肯定感を持って
受け入れ、受け入れたら今度は、積極的に関わってくるようになるという。
5か月かかって、一緒に遊べるようになった子どももいるそうだ。
めげないか?ううん。それは、いいことなんだ。それはね。
いつもいつも、大変な困難を抱えている子どもが、他者に対する言動が強く出るのは当然のこと。
その他者というのは、自分にとって、無力な存在でないときついこといえないわけで。
だっていつだって自分は人の世話になっている。
ママにもパパにもお医者さんにも看護師さんにも。
医療現場に関係ないクラウンにだからこそ、いえる言葉なんだよ。
クラウンは、何にもしない。お薬飲んでといわないし、注射も手術もしない。
子どもに対して、「上から渡す」行為が一切ない。
「治療」が仕事の病院には無用無力の存在で、どんな言葉をぶつけてもやりかえされない、悪態ついても不都合がない
そういう相手だから、安心感が挑発にかわるんだよね。
だから、無力のクラウンが病院にいる意味はそこにある。
面倒なこと=関わり だとすれば、「面倒」なことには、笑いがあふれている。
人とのかかわりを積極的に楽しめる子、それは人を好きになれる子
人を好きに、そして自分を好きになってほしい。
だから、クラウンは世話を受けるだけという最下位の立場に子どもを置かない。
こどもに、うるさがられたり、注意されたり、叱られたり、面倒を見てもらっったり、遊んでもらったりする。
ん~~~。。。なるほど。
一生懸命、メモを取っているうちに、講演は終了。
後半はワークショップ。
所用で盛り上がり以前に退席してしまったのでちょっとしか撮れなかったが写真を少し。
おもてなしのティーコーナー
好きに飲んでね、の心配り。いいね♪
さあ、始まり。ちょっと緊張感
好きに歩いて太鼓の音でフリーズ
今度はフリーズを好きなポーズで。
お。乗ってきましたね♪
好きな形、といってもなぜか「万歳」ポーズが多いこと。解放感の表れかなぁ。
いやん:はぐれたぁ;
太鼓の音の数で瞬時にグループ作り。余っちゃう人が右往左往;
クラウンの世界では、この立場を「おいしい♪」 というのだ。
おっと残念。ここで私の時間切れ。退室となりました。
後日の新聞記事を見ると、このあとは、グループ、ペアワークで盛りあがったようです。
ここから、いいお仲間が増えて行きますように。
受講生の皆さんの始めは固かったお顔がどんどん笑顔になって行くのを目の当たりにして
幸せな気持ちでした。
いい体験をいただきました。スタッフの皆様、ありがとうございました。
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『信州ケアクラウン協会』