win-win(双方両得)への道

のんたん

2012年03月15日 16:48

ボランティア連絡協議会の役員会へ。

会議の後半、噴出したいくつかの団体代表さんたちの嘆き。

連絡協議会なので、集うボランティア団体の活動は多岐にわたる。

障碍者福祉、地域活動、施設ボラetc.

団塊の世代のボランティアデビューにともない、地域ボラは花盛り。

まちづくり事業、地域おこしを楽しんでいる。

障碍ボラは技術ボランティアであるので、資格制度導入により若い人たちの参加も多くなってきている。

だが、老人福祉施設に通う、施設ボラの実態は、介護現場の過酷な人員配置の影響を受け

現状、ボランティアが「無償ヘルパー」と化して、その重労働と待遇に悲鳴を上げ

担い手が激減している。

施設職員と違い介護資格のないボランティアに身体介助(車いす補助や身体移動)は規則上できないので

割り当てられる「仕事」は雑用。だがその雑用が老人施設では煩雑で多様で膨大なので、ボランティア登録者は

まるで勤務者と同じようにシフトに組み込まれ、一日中を肉体労働者として過ごす。

無償でだ。昼食も出ず、休憩室もない。

これでは次世代人員は集まらない。

介護保険導入以前は、ボランティアの数も多く「生きがい」として無償作業に取り組めた女性たちが

今、高齢化の波もあり、続々と団体解散が起きている。

その頃は、ボランティアには休憩室があり、体を横たえて休める時間があり、入所老人との対話を十分に持てたため

職員との連携の中で意義を持って無償の労働を楽しめたという。

現状の厳しい施設運営の中、施設には余分な部屋がなくなり、職員のボランティアへの気遣いが希薄になり、

「おかげさま」が成り立たなくなってきている。

持ち上げてもらう必要はないが、年若な職員から目下の小間使いのような扱いのなかで重労働を担わされる

ボランティアが作業によろこびをもてるはずもなく。

「20年、ボランティアをしてきたけれど、時代が変わった。新しい人たちに『ボランティア活動は素晴らしいどうぞ一緒に』、と言えない時代になった。私たちの代で終わり。人手がないと立ちいかないのがわかるから、義務感で通ってるけど、体が動いてくれる間まで。」

幾人かの施設ボラの重鎮が口をそろえる。

「ボランティアさんは責任持たせられないし、その時限りの仕事をその都度してもらえばいい人たち」という

使い捨て意識を施設が変えない限り、状況は悪化していくのみだろう。

しわ寄せは、受け手の老人たちにいく。

人の好意と力を大事に受け止め活用できる仕組みと意識をお互いが持てる社会でなければ

これからが成り立たない。

ボランティアってなに?

する側が意識するだけでなく、受け手こそが意識する必要がある。

コーディネートを担う社会福祉協議会の子たちは、その部分への介入を気合を持って模索している。

頼もしい。これからだ。


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