「キャンプしよ。」
と、遠方の友人が訪ねてきてくれた。
えっと、経験ないんですけど;道具とかわからないし;;、としり込みする私に
「全部持ってきたからいい。乗って。」と笑った。
見れば車の後ろにはお荷物満載。
私は着替えだけリュックに詰めて、週末の山籠りとなった。
わけもわからずご指示に従い、小雨の中、設営のあれこれを手伝い。
「役立たずやね(笑)」 の称号をいただきつつ、けっこうくたくた。
雨も上がり、冷え込んできた山の空気に
「着て」と綿入りのズボンとジャンバーを出してくれて。
もこもこおばちゃんになって設営したテントシートの屋根の下、あかあかと火が目の前に。
コンロで炊いてくれたパエリアをお皿に盛ってくれて。
「はっぴばーすでぃ。」とスプーンを添えてくれた。
・・・・。
うるうる。
ごめんなさい。内心「ぶつぶつ」とへこたれてました。
「誕生日になんでこないな過酷なことに。」と。
プラスチックのコップに注いでくれたビールは、肉体労働の後のおいしさ。
虫だらけの灯りの周りには、蚊取り線香を点在させ。
すごいねぇ。あれもこれも、ばっちり対策。
台所もトイレもないちいさな山小屋に、服を着たまま顔まで毛布にくるまり
これがほんとの暗闇なんだぁの経験をしながら、8時半の就寝。
トイレは管理棟まで懐中電灯を頼りに5分の道のり。
朝方の、カッコーと鶯と、ほかのいろんな鳥の鳴き声が何層にも重なって聞こえてくるフルボリュームで目が覚め。
「勘弁してよぉ」と「うわぁ~、すてき。」の感動が交互にきまくって、
子供に戻ったような時間を過ごした。
朝ごはんは飯盒でご飯を炊き、みそと塩ゴマで。おこげがこんなにおいしいなんて知らなかった。
帰りはごほうびに、秘湯?の露天風呂に立ち寄り、ほっこりあったまって。
「じゃ、帰る。」と
木曽の駅に落とされて、さようなら。(笑)
甘やかしてはくれず、でも、優しい気持ちを、そっけなくも大量に置いて行ってくれた。
電車を待つ1時間余り、ホームで際立った山々を眺めて
この週末の不思議を反芻。
ありがとう。
幸せな誕生日でした。
雨女の面目そのままにまたまた濡れて駅から帰宅したけれど。
幸せな気持ちはそのまんま。
バスタオルをかぶってコーヒーを淹れた。
PCを立ち上げるとfacebookにお友達のメッセージがずらり。
こんなにおめでとうを言ってもらったのは人生初かもしれない。
ありがとう。
しあわせな、しあわせな時間を過ごしています。