彼岸明け一考

のんたん

2019年09月26日 10:08



むかしむかし。母が小学生のとき(戦前だ!)先生にひどく怒られたことがあったそうだ。
宿題の、作文だったか、絵だったか、習字だったか思い出せないんだけど
「大人に手伝ってもらったのは分かっています。けしからん。」と。
まったく手伝ってもらってないのにそう断定されて深く傷ついたそうだ。
年月を経て「ちょっと下手くそにした方が褒めてもらえるよ」と母は幼い私にアドバイスをくれた。
だが、残念なことにわたしは母に似ず凡才で、精一杯やっても「う~~ん」な、どんくさい子だったのでアドバイスは役に立たなかったが、幼稚園年長の時に雲に表情を書いたら先生に顔がある訳がないものにふざけて書いてはいけない消しなさいと剣幕で怒られて以来、「こういうことかな」と母の言葉を思い出し、感じたままには書かない、を心がけた。。
非凡であることは、素晴らしいのと同時に、孤独になることでもある。
ありがたいことに、わたしは凡ではあるが、その非凡の孤独をかぎわけることができる才能は、ある気がする。
寄り添って、生きること。がわたしのこの生涯のお題のような気もしている。
生きづらかった母は、可愛い人だった。
高校生の私を真夜中にゆすり起こして、こんこんと心情を語った彼女の寂しさを今ならわかる気がする。
あなたはわたしより大人だよねと泣いた彼女に、そんな彼女を見て育ったが故に過剰適応者となった私はここでも求められる大人像を作ってはいたけれど。
その葛藤をしるには、わたしは若すぎたのだ。
彼岸明けの一考。南無。


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