感情解放
「迫力が出せない」と朗読歴3年目の彼女の悩みを聞く。
今年は講座のアシスタントに入ってくれている。
民話ラジオの朗読にも出演しているが、お化け物や切迫シーンに迫力を持たせたいが、うまくいかないと。
声を凄ませなくても、間の取り方や、トーン、スピードで緊張感はある程度作れるが
「声」そのものが柔らかくほわーんとしているので、それが利点でもあるのだけれど、本人はもう一皮むけたい気持ちが強い。
たぶん、彼女の中に無意識のバリアがある。
聞き取りをしてみると、人生で声を荒げたことがないという。
穏やかで、いつも柔らかに口角が上がり、技術はあるが控えめで前に立とうとしない。
人の感情変化に敏感で、仲間内ではいつもフォロー(とりなし)役になっている。
「口けんかとか、したことは?」
「ないです。」
長い人生、感情が波立つこともあったろうけれど、
それを表に出すことを性格も手伝って自分に禁じてきたのだろう。
強い声を出すこと自体に罪悪感が無意識に作動し、ブレーキがかかっているのだ。
講座の中での感情解放のワークを彼女のアシスタント当番の日に振り分けて
一緒に巻き込んでみようかな、と思ってる。
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