わたしがおばさんになぁっても~♪
スーパーで。
牛乳コーナーの前で、どれにしようかと立ち止まると
ふと記憶がよみがえる。
亡き夫は、いつも棚の一番前のものを迷うことなくかごに入れた。
一つ奥の段には新しい日付のものが並んでおり。
「新しいものの方がいいのに・・。」と思っていると
私の思惑に気がついたのか
「僕はいつも一番手前のを買うんだ。今日明日に飲む生鮮なら、それで大丈夫だし。
たった一日違いで、よけられたら、牛乳も理不尽だろう。同じものなのに。」
と昨日の日付の牛乳を手に振り返った。
・・・。
こういうのを、陰徳というんか、わからないけれど。
そういう人だから
「わたしがおばちゃんになっても」
かわらず、愛でてくれていたのかもしれない。
「心配だわ、あなたは、若い子が好きだから」
という思いは、かけらもしたことがなかった。
妻という立場は、
なんと温室であったのだろう。
夫を亡くしてはじめて、
わたしはじぶんが@おばちゃん、であることをすっかり自覚することになった。
そして、こぎれいにしはじめた。
そのままでいいんだよと
思ってくれる温室は取り払われた。
せめて、お他人様に不快感をあたえないよう
みずぼらしくない暮らしをしなければね。
「あんまりきれいになると、心配だよ。」と、とぼけた彼のリップサービスは
もう聞けないけれど。
http://youtu.be/aNd9AESP3fQ
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