命日を過ごす

のんたん

2012年12月03日 18:20

祥月命日。

ほとんど眠れないまま朝を迎え。

所属ボランティア団体の定例会へ。

むくんだ顔をすっぴんのまま晒して着席すると、

「具合でも悪い?」と聞かれ、

「朝寝坊屋で、すんません;」と笑う。

昼まで会議をして、昼食をとりながら学習会の打ち合わせをし。

午後の勉強会を失礼して、お墓に向かう。



道中にあるフラワーセンターで花をあつらえ。

(夫は植花や鉢ものが好きでよく訪れていた店)

1年前、別れの時を迎えた時間帯を、墓の前で過ごす。

夕暮れの光は、彼が動かなくなってしまったあのとき、病室の窓に差し込んでいた、あの色と、

同じのようでいて、違うようでいて。

それから、ショッピングセンターによって。

本を一つ買い。

お蕎麦屋さんに入り。

そう、最後の外食は、仮退院の日に寄った、お蕎麦だった。

お蕎麦が好きな人だった。

一緒に、食べた最後のお蕎麦の味は、こんな風だったか、どうだったか。

今日は、おいしい、と思って食べた。

それから、売り場に行って下着を買った。

「いいかげん新しいの買えば」と夫に言われてしまわないように。

布団のコーナーによって、羽毛布団を眺める。

「君は、自分の布団に頓着しなさいよ?」とも、病床から言われていた。

でも。。今のまだ使えるし、いいや。。

「またそうやってぇ。」と彼の声が聞こえたら、えへへ、と笑えて嬉しいのに。

自分のことにかまわなかったのは、確かに身のまわり全般には頓着ない自分の性格もあるが、

ときおり、気にかけてくれる彼の言葉が嬉しかったせいもあったかもしれない。

商材の買い出しをして帰路に。

家に着くと玄関に花束。

心優しき友人が、命日を覚えてくれていて

花を置いて行ってくれたのだ。



仏花ではなく、華やかな温かな色ぞろえが、彼女の温かさ。

ありがとう。ゆうわちゃん。

心音は、まだいつもの穏やかさを取りもどしてこないが、

あの瞬間を、やり過ごせて。

ようやく。

深呼吸をしながら、明日に 向かおう。

I'll be seeing you.

振り向けば時間はいつも、あっという間なのだ。





http://youtu.be/SRVFNGVnJWY

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