一枝のざくろ
ちっとも実がはじけないのだけれど、色づきはきてるの
取りにいらっしゃいな、と
何度かお電話やFAXをくださった母と同年代の先輩。
午後の隙間に、お電話をして、お庭のザクロをいただきに。
庭に出て待っていてくださり。枝ぶりをともに眺めつつ。
少しお気持ちにたまったものがあり、堰を切ったようにお話をしてくださった。
「あなたとはなすと、いっぱい笑えてね。すぅっと楽になるわ。」と言ってくださる。
何度かのお声掛けは、このおしゃべりタイムの伏線と感じ、できるだけ時間の取れる時を選んだ。
若輩ものながら、(彼女から見れば)お教えをいただきながらの幾年月
過分な評価をくださる、ありがたき師匠であり、「友」的存在。
実だけを切り取ろうとした私に「枝ごとよ。飾るには、そう、その辺。」と。
なるほど。
「食べる」という頭しかなかった我が情緒の無さに苦笑する。
玄関に、飾る、あるいは床の間?
こういう風流を身につけなければなるまいに。年かさだけを過ごしている。
ありがたくいただいてきた。
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