感謝状

のんたん

2013年11月22日 03:02

長年朗読ボランティアの情報音源をご利用してくださっていた方がこの春亡くなった。

薬害での失明、被害訴訟の陣頭指揮に当たられて、その手腕を発揮されていた。

博識で、わたしたちの活動を活用してくださりながら、一方多くのお導きとご指導をくださっていた。

亡くなられた後、数か月して、遺贈の通知が。

驚いて奥様にお電話すると、生前にお手続きされていたとのこと。

「そうですか、やっとご連絡が行きましたか。機構の手続きが時間がかかったようですね。」と。

それから、お宅にお邪魔し、手を合わせさせていただいたり、

お電話でお話をさせていただいたりして、ご交流を持ってくださった。

体調が悪いので、CDの発送を止めてくださいとのご連絡から数か月。

葬儀もなし、新聞告知もなしの遺言を貫かれてのお見送りだったので

ご逝去を知ったのは、ずいぶん経ってからだった。

いただいた遺贈をどのように使わせていただくか、役員会でも例会でも話し合ったが

そのお気持ちの尊さに、おいそれとは決まらず、日が過ぎ。

使い道の目録を持ってお訪ねをしようとの想いも空回りするつらさに、

せめて感謝をお伝えしたいと、感謝状を作らせていただき、お届けしたきた。

月命日の今日。(21日)

この日が奥様と私の都合が合致したことも、喜びだった。

お命日の日に、お礼にうかがえたこと。ご仏花と、奥様への花束を抱えて。

ひとしきり、想いで話を。そして感謝状をお渡ししてきた。

お仏壇の上に飾って下さるとのこと。

何より、嬉しいわ、彼も喜ぶといって、額に入れて持参した感謝状を眺めてくださった。

文面を考えるのに、ずいぶん時間がかかった。

喜んでくださったお気持ちに、こちらこそが深く感謝の思いだった。

遺影の笑顔は、お優しい。

でも奥様は、その隣の棚に、憂いを秘めた横顔の遺影が飾られてあり、ほんとはこっちが好きなのよ、と。

どちらもあの方ではあるけれど、とてもわかる気がした。

わたしも遺影のスーツ姿より、パジャマで撮った夫の写真が一番好きだ。大きくして飾ってある。

合掌。

横沢様、奥様とお話しさせていただき、ありがとうございます。

私も夫を亡くしました。奥様とお気持ちを少しでも添わせることができたのだとしたら、

それもきっと、横沢様の最期のお導きでしたのね。

ありがとうございます。








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