初めての夢

のんたん

2014年05月31日 08:50

夫が亡くなってから、一度も彼の夢を見ることがなかった。

夢でいいから出て来てよ、と何度も仏壇に泣いた。

でも、一度も夢に出てこなかった。

昨晩、初めて夫が夢の中に居た。

台所に居る私の隣に、ぴとっと来て。

つまみぐいをし。

「うまっ。」と指をなめた。

「そう?」と普通に答えた。

じんわり、嬉しかった。

肩越しに触れていた彼に、体温触覚の存在感があった。

一瞬寝ながら意識が戻り

「ああ、夢見れた、やっと。」と幸せになり、またすーっと眠りに落ちた。

昨晩は、暑さに負け遅い夕食になり、9時近くに、新生姜の炊き込みご飯を炊いた。

のの様用の器ではなく、普通のお茶碗に炊きたてをこんもり盛ってお仏壇にあげた。

香りの湯気が、お線香の煙に混ざって、のぼったのだろうか。

生前は新生姜が出ると、おべんとに、佃煮にしていれてほしいなぁ、とねだったものだった。

初めてのレシピや新もの、初物、好物、お仏壇に、あげるたびに

食べさせてあげたかったと嘆き

何を上げても減らないし、届いてるかわかんないし、とめそめそしていたから。

そんなこんなで、

『しょうがないなぁ、(生姜にかけたシャレか?w)、届いてるってば。」と

言いに来てくれたのか。

寡黙な、彼らしい訪問。

ありがとう。

いっぱい、おいしいもの、作って、食べて、幸せに生きよう。

息子のお弁当にも、どっさりと入れ、イワシのかば焼きとピーマンの卵とじという、夫の好きなメニューで送り出した。

動物系はお仏壇にあげられないから、息子と一緒に食べてもらうつもりで。








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