スーパー。
食材を買う場所でもあるけど、情報にあふれている。
クックドゥーなどの調理補助レトルト箱には、おいしそうなお料理写真。
裏返して調味料の欄を眺める。へ~、これって、うすくちしょうゆとだしとさとうなんだー。
大根を煮る前に焼くんだー、へー、おもしろそう。
作り方を頭に入れて食材を買い、まねしんぼ。レトルト買わずに自宅にある調味料で「なんちゃって」をする。
お惣菜コーナーにいく。
自分では作らない組み合わせのお惣菜がおもしろい。
さっそく、まねしんぼ。
外食に行く。
これよくない?なお料理を写メ。これでもすこしコショウが利いてたらいいのにねぇというので
次の週末、コショウを利かせてまねしんぼ。
もちろんプロの腕には及ばないが、こちらもそれっぽくなればよし、の「なんちゃって」。
さっそくでてくるし、と息子が笑う。
お姑さんと同居しだした頃、自己流で作った料理への拒絶がきたトラウマから、
彼女の口に合うことに固執して料理のレパートリーを限定していた。
馬鹿だったなぁと思う。若かった。お気に召す嫁になりたい一心。(笑)
恐れず、あっけらかんと、これどう?を繰り返してみればよかったなぁ。
他人行儀を抜けられなかったんだなぁ。
向こうは、気兼ねなくおおいに好き嫌いを伝えてくれていたのに。
バターを使ったら、家中の窓を開け放って「くせー!!」と叫ばれたっけ(笑)
そこで、委縮せず、
「鼻つまんでたべてみいや、うまいで~?」と笑いにできてたら、もっと早く、近づけたかもしれん。
ごめんなぁ。
わたしも図太くなれて子供らにかこつけていろいろ食卓にのせるようになれたのはずいぶん経ってのこと。
80を超えて、ようやくお肉もグラタンも食べられるようになった彼女。
うまいじゃんね、と頬ばる姿に「かわったもんど」と夫があきれ顔で笑ってた。
ほどなく認知症が進んでしまい、味わいの感想が聞けなくなってしまった。
もっと早く、いろんなおいしいもん、出してあげればよかったな。