平屋でね・・・

のんたん

2014年09月02日 15:33

昨年の埼玉行き等、たまに息子の運転で出かけると、このご時世なので空き地、空き家が道沿いに目に入ることが多く。

そのたび私が「あ、ここ売り地だって!」「あ、ここ空き家みたいだよ!」と声にするので、息子はあきれて

はいはい、また始まったw。いったいどこに向かいたいんだあなたは、と笑う。

頭の片隅にいつも残っている記憶の一こま。

夫がまだ病む前、こんなことを言っていた。

「そういえば、この前夢を見たんだ。のっちゃ(夫は私をこう呼んでいた)が、家を建てたんだ。

いつのまに?ってびっくりしたんだけど、中に入ってみたらさ、それがすごくよくて。平屋でさ、いい設計なんだ。

どうしたのこれ?って振り返ったら、のっちゃが『いいでしょ~♪』って誇らしげに笑うんだ。

こんなの、どうすんだろ、とんでもないやつだなぁって思ったけど、やっぱいい家でさ、

すごいなーこいつって。おかしかったなぁ、あの夢。何だったんだろね(笑)」


どこに、どんな家だったのか、もっと詳しく聴けばよかったと、亡くなった後、そのシーンがふと思い出されてから

頭を離れていかない。

午前様続き、泊まりがけも多かった激務の中、つかのまの家時間に、ふと破顔して話してくれた夢の話。

平屋の、夫が胸がすくような想いがした、いい「家」

家は、今、ここにあるのに。住んでいるのに。

「家」を象徴するなにかを、確立するということなのか、家そのものなのか、その家の用途は何なのか。

考えて出る答えはないのだけれど。

あれから不動産物件を眺めるのが、好きな時間になっている。

「平屋でね・・・。いい家なんだ・・・。」

を、探して。






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