見知らぬ人と眠る
ユース、ゲストハウスなど相部屋で泊まる旅をするようになり。
初めてお会いする方とその夜だけの同室就寝。
布団を並べて、あるいは、ベッドが並んで。2人のときも4人のときもあり。
ふたことみこと、対話があったり、ときに親しく話をしたり。
同性同士ではあるが、入室の瞬間はやや緊張もある。
旅慣れた人が多いので、みな自然体。 距離感を学びつつ、そこに、そっと自分の身を置く。
1人寝に慣れていたので、最初はちょっと心配もあったが、意外とこれが心地よい。
寝息が聞こえてくる。
見知らぬ人の寝息なのに、人がそばにいる。
この安心感はなんだろう。
とろとろと寝入る瞬間、また夜中にふと目覚める瞬間。
人の気配がそこにあり、お互いの体温で部屋がぬくもっている感覚。
これもまた、旅でいただいているもののひとつなのだ。
愛しき人の腕の中で眠る時代は過ぎた。 この腕に子を抱き眠る時代も過ぎた。
だが、群れの中で眠る、という動物的自衛本能が、きっと身の中にあり。
それが、人の寝息を好ましく思えるゆえんなのかもしれない。
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