泣きのバイブル
泣くと楽になる、という現象がある。
痛くて泣くとか、目にゴミが入って泣く、というのではなくて、感情的涙を流すことに意味がある。
この感情的涙にはストレス物質の「コルチゾール」とやらを体外に排出する役目を持っているからだそうだ。
長く生きてると、このままだとやばいかも、という予兆を察知できるようになり、
立ち上がれなくなる前に、いっちょ早めに泣いとくか、と予防泣きで、事を乗り切ったりする。
とはいえ、感情の吐露に大いなるブレーキをもつ身としては、
そうそう簡単に「感情泣き」をできるものでもなく、起爆剤がいる。
泣きアイテム。
音楽とか本とか映画とか。
きっと誰でも、そういう1冊、1曲を持っているのだろうな。
わたしの泣き薬は、これ。
西原理恵子 「ぼくんち」
西原(サイバラ)の他の作品、たとえば「はれた日は学校を休んで」 や「いけちゃんとぼく」もじょわっっとくるが、
「ぼくんち」は、滝泣きに最適だ。
そして、
笑ってなんぼ。生きるぞ、くそったれ、
と元気になる。
暮れに本棚を整理していて、不覚にも手に取ってしまった。
別に泣きたかったわけでもないのに、何回目の読みか数えきれないのに
また読んで泣いてしまった。
こういうのを、バイブル化というのだろうか。
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