朗読会が終わりました。
図書館のカウンターに10日前にちらしが置かれただけの、ちいさな「おとなの朗読会」
きっと、わたしたちがご連絡した知人しか来ないよね、とピアノを務めてくれたnamiさんと笑い合っていたけれど、
思いがけず、入場者の半分近くがフリーの方でした。
大好きな上田のお友達、杏花さんが来てくださり、もう一度見たかったあの笑顔を見せてくださいました。
杏花さんの笑顔は、左右対称の口角、優しい瞳、マネしてもできない天然の「幸福を渡す笑顔」の持ち主です。
シャンソンのプライベートコンサート以来、久しぶりにお会いできたあのときのメンバーの方々もお顔を見せてくださり、ありがたかったです。
Kさんはいつも旦那さまと一緒。睦まじいお姿にいつも夫婦のあり方を教えていただきます。
また今回は、図書館長が最初から最後まで聴いてくださって
終わるとすぐに「定期的に考えたいですねぇこういうの」とお声をかけてくださり。
なまものですから、ぷちアクシデントはあったものの、無事最後までお客様と物語を楽しむことができ、
ほっと胸をなでおろしています。
なにより、namiさんの「引き算の美学」に感銘を受けました。
初回の練習ではお話を聞きながらイメージをつくり、ずっとピアノを入れてくれていたものが、
聴き込み、作り込むうちに、どんどん音が減っていき、本番では、もう、ほんとに、ここ、というタイミングでのみ、
良い音をくださいました。 「ため」のタイミングもエンディングテンポの取り方も、ぴたっと寄り添って。
きれいに彩られたデコレーションケーキのような華やかな音づくりも素敵ですが
「おとなの朗読会」にふさわしい「シンプル」で、物語の素材の味にこだわった音づくり、
プレーンケーキのおいしさのような「音」を作り上げてくださいました。
その「おはなしへの姿勢」に胸が震えました。(勝手な解釈ですが、すみません;)
そしてもうひとつ嬉しかったのは、引き合わせたかった人と人を
この朗読会を通じてご紹介できたことです。
私の周りには、ほんとにすごい「感性の人」が何人もいて。
そのおさんかたを、朗読会の後、円にしてお引き合わせできたことです。
手話通訳という分野を超えた表現者である、みささん、舞踊家のゆうわさん、そしてピアニストのnamiさん。
この三人がそろって目の前にいる。 はじめましてぇと、きゃあきゃあと語り合いながら。
こんなすごい光景が今目の前にあるんだ。と、
わたしは、それだけで、にやけてしまって一人心の中でガッツポーズしていました。
アンケートでは、一般来場の方々からも嬉しいお言葉をいただけました。
できたばかりの施設で、まだ使いなれない音響使用の面でもご意見もいただけて。
なんとも、あったかい時間を、いただいた一日でした。
今回は最後のお話に「パーソナルストーリー」を語らせていただきましたが、
そのストーリーの主人公である友人がくれたアイヌ刺しゅうの羽織を着ておはなしを語りながら、
人と人が生きる、という意味を 改めて胸に刻んだ日でもありました。
視覚障がいのあるIさんご夫妻も来てくださっていて、
「これが、アイヌ刺しゅうなのねぇ・・」と
ゆっくり、わたしの羽織った羽織の模様を指でなでて、その隆起を愛でてくださいました。
お渡しした以上に、何倍ものあたたかさを、いただいた日。
お忙しい中を時間をやりくりしてスタッフとして詰めてくださった図書館職員の方々。
そこにいた全ての方が一緒に朗読会をつくってくださいました。
感謝です。全てに。 合掌。(‐人‐)