愛された記憶
赤子がカメラに好い顔をするのは、カメラを構えた人物に愛着と安心をもっているときだそうだ。
赤子の私は、幸せそうに笑っている。
愛されていたのだなと思う。
後ろに映っているのは、亡き母が初節句で曾祖父にあつらえてもらったものだったらしい。
新しいきらびやかなお雛様には縁がなかったが、欠けた雛鼻や手を器用に紙粘土等で修正したり
持たせる扇を割り箸を削って楊枝と組み合わせて作ったりした古雛は、「手仕事」の面白さを教えてくれた。
年代物の雛顔は、新しいものに比べ、目も小さく顔立ちがおとなしく、でも品が良かった。
手放した実家と共に、今はないが、写真はあの時代を切り取って、記憶を呼び起こすカードになってくれる。
写真は、特に子供の小さかった時は、アップばかりになりがちだったが、やはり、背景とともに、残しておくのも大事だなぁ。
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