思秋期

のんたん

2011年05月15日 00:48

女には、もの思うお年頃が、3度来る。

思春期と、周産期と、思秋期と。

どれもホルモンバランスのおおきな変化期にあたる。

はらはらと、よく泣く。

ただいまは、3度め、思秋期にあたっているようだ。

車を運転していると

幼い娘の手を引いたお母さんが、ダッシュで横断して行く。

前にひとつふたつ年上らしきお兄ちゃんがいて。

お母さんを常時振り返りつつ、でも空いたもう片方のママの手にはすがろうとしない。

それ見ただけで、「はらはら」と泣く。

信号待ちに、自転車にまたがった男子中学生たち。

丸坊主におおきなスポーツバッグ。白い歯を見せて笑いあっている。

くったくのない日焼けした顔が並ぶ。

それ見ただけでまた、鼻がつんとする。

あー、かわいい。

あー、いい時代だなぁ、あのころが。などと、すぐ感慨にふける。


スーパーで納豆の棚にひき割り納豆に目がいく。

ふと手を伸ばしかけて、「あ、要らなかった」と思いなおす。

下息子の好物、納豆巻きは、夜食を食べる彼がいなければ、作る必要がない。

「いないんだよなぁ」

そんなんでも、またうるうる。


父が優しいことを言う。

あらま、どうしたのよ。

とまた、うるうるする。


アイロンかけてても、お茶碗洗ってても、

ようはなにしていても、ちょっとしたきっかけでスイッチが入り、

はらはらと泣く。

「はいはい。ホルモン変化。ホルモン変化」

と自分に突っ込んで苦笑する。


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