波がある。
何も手につかず、呆然気抜けで日を過ごしてしまう数日と
少し手や体を動かせる日と。
夜に眠れる日と、まったくだめな日と。
それでも主婦歴のおかげ、料理と洗濯という生きるのに必要なルーテインワークだけはなんとかこなしている。
これに掃除、整理整頓も加わっていれば良妻賢母なのだが
これらは、私の中では気力のある日のオプションらしい。
今夜は0時をまわってオプションが起動。
いきなりスイッチが入って、いきなり切れるのが玉に瑕(きず)なのだが。
夫の残した書類の山を片付け始める。
職場から引き揚げてきたものもあわせると段ボール箱で20箱以上もあるだろうか。
異動のたびに次の職場に入りきらず2,3箱は自宅に持ち込んでは積み上がっていった。
仕事でやりとしした大量の名刺や、次の仕事への資料として保管したのだろう、部外秘的な書類もあり
そのままは捨てられない。
すべてシュレッダーをかけようと思ったが、何年もかかってしまいそうな気配だし、
長く取り置いてはいけないと判断、機密文書リサイクルサービスを利用することに。
専用の段ボールに書類を詰め封印のうえに割り印をして、安全な運搬配送をし
焼却ではなく「溶解」処理をするというたいそうなシステム。
大げさかとも思ったが、長年の夫の仕事への敬意。「ゴミ」扱いをしたくない気持ちもあって利用することにした。
専用段ボールは先に取り寄せておいたので、
積んである段ボールから書類をだし、クリップ類をはずしながら丁寧に詰めていく。
書類の束に交じって、カタログやらパンフレットなどがでてくるのでこれらもはずす。
組合発行のカタログ。
時計のページに付箋。
これが、欲しかったのかなぁ。。。つけさせてあげたかったなぁ。。
旅行のパンフレット。
いつかって、思ってくれてたのかなぁ。。。
ギフトカタログ。
ページが折ってある場所は、食品。
どこに何を送りたかったのかな。。送ったのかも。
保険のちらし。
・・・。
飴が、出てきた。
ひとつ口に含んでみる。
・・・ちょっと古いや(^-^;
こうして夫のものを片付けるたびに
なにかメッセージはないか、なにか独りごとのメモでもいい、発見はないかと時間がかかる。
そしてまた数日疲れこむ。
こんな繰り返しをきっとまだまだしていくのだろうな。
こうしていると、ふと馬鹿なことを考える。
ドラマとかによくあるじゃん?
亡くなったあと、実は私の知らない誰かがいたことがわかって、、とか。
黄昏流星群のマンガじゃないけど。
そういう人がいたら、それでもよかったような気がする。
いっしょに、泣けるじゃんね。思い出の共有が一番できる相手になるかもしれん。
男としての彼の想い出の共有。
小さな癖とか、向き合い方とか、そうそう、そういうとこあったよねぇ、なんて、
女同士で。
現実にそんなことがおきたら、それはそれですごく苦しいかもしれないけど。
独りで片付けてると
「いたらよかったのに」とか思ってしまう。
馬鹿だよねぇ。。。