さちことサヨコ

のんたん

2012年05月13日 18:25

生徒に、名前を呼び捨てにされる女性教師。

子供らにとって呼び捨ては、尊敬と愛情の称号。

さちこ先生は、私の高校の時の他のクラスの担任で、そのクラスではいろんな事件とエピソードがあり

同窓のSNSではおりしも母の日の今日、彼女の想い出話で盛り上がっている。


サヨコ先生は、上息子の中学の時の担任。

息子が教師を志すきっかけとなった思い出深い先生。

息子たちは、今も彼女の話になると親しみを込めて「サヨコ」と呼ぶ。

どちらも、独身でいらした。(と思う、さちこ先生の方は記憶があいまい)

さちこ先生は「先生」だったし

サヨコさんは「姉御」だった。

息子たちの卒業式の後、サヨコ先生はこんな感じのことを言った。

「卒業おめでとう。春休みを終えたら、わたしはまた次の学校で新しい担任を持ちます。

君たちのことは忘れます。あなたたちも私を忘れていい。お互い振り返らず前に進みましょう。」

え?ふつう、君たちのことは忘れない、が決まり文句ではない?と不思議な気持ちで聞いた覚えがある。

「わたしはこの2年、君たちに全力投球してきました。次の子たちにも全力で向かいます。なのであなたたちはもうわたしの子ではなくなります。卒業とはそういうことです。でもね。」

「わたしはあなたたちが大好きでした。これからもずっと好きです。先生としては生徒のあなたたちを忘れます。

大好きな友人として、みんなを忘れません。」

・・・かっけ~。。。と思った。

独り暮らしで仕事ばっかしてた彼女は、コンテナに残った給食の残りおかずを給食のおばちゃんに分けてもらって

なんとビニール袋に詰め、口をしばり、

その底角を小さくはさみで切って、口に流し込み食べをするという、脅威の晩飯で腹を満たしつつ

残業に明け暮れていた。そのエピソードを息子たちは

「女じゃねー!ありえねー!」と笑い話の種にしながら、「これいいかもw」と真似までしてみていた。

保護者間では賛否両論の破天荒女子ながら、私はこの人の生きざまを大好きでいた。


今、さちこ先生のエピソードを30年の時を経て語り合う同窓生の言葉は、

まったく対照的な教師像ながら、同じ匂いがする。

厳しくも馴れ合いを好まず先生として君臨?なさっていながら、彼女は今も先生として愛されている。


息子は、今、こどもたちに「ちゃん」づけで呼ばれている。(笑)

30年後、彼は同窓生たちの話題になる先生でいるだろうか。






関連記事