オノマトペで遊ぶ

のんたん

2012年06月14日 00:35

今回の中間教室。

この教室は日によって来てる子がまちまち。

行ってみないと顔ぶれがわからないので、教室に入ってから何をするか瞬間判断。

眠そうな午後、少人数、静かな子たち。

というわけで、今回は単純に声の「音」を遊んで行こうと判断。

呼吸法とかつ舌をやった後、

オノマトペのふんだんな作品を2,3チョイス。

谷川俊太郎 たいこ

宮沢賢治 風の又三郎 の一節

中原中也 サーカス

しょっぱなからリレー読みをするには、声が出そうにない子たちなので

リピートアフタミー。

「たいこ」のフレーズを一行ずつ、まずは私が先導してほかの子にユニゾンで追っかけ読みをしてもらう。


どんどんどん(どんどんどん)

どんどこどん(どんどこどん)
どこどんどん(どこどんどん)

どどんこどん(どどんこどん)

という具合。

リピートの声はかすかに聞こえる程度。

かまわず、楽しげに繰り返す。音色やスピードを変えていく。

ノリのいい子がそろうと、にぎやかになるワークだが今回のメンツはなかなかてごわい。

でもだんだん声が出始める。

次は風の又三郎。

どっどど どどうど どどうど、どどう、からの4行を

今度は個人読みで一巡。

か細い声ながら、一人一人読み方が微妙に違う。

そこをとらえて、それぞれの読みから吹く「風」のイメージの違いを伝えていく。

本人は意識せずとも、その子のイメージの中にある風が声に乗るとき

助詞の上げ下げや、ポーズ、プロミネンスに「色」がでる。

それを、有言化して、相手に渡すと、気づきが出る。

自分の読みに意識と自信を持ってもらう手法のひとつ。


かすかに首を傾げたり照れたりしながら

でも、確かに、すこーし、次はなに?の目線が来始める。

で、中原中也に突入。

サーカス。

この作品は、リズムを楽しめる。

声が出始めた男の子に先導を任せ

一文節ずつのリレー読み。

声パスの意義は伝えていなかったにもかかわらず、

彼が作った、最初の文節の世界観を、次の子が受け取って声のリレーで作品を読み上げていく。

作品として同じカラーを共有できたことをほめたたえると

専任の先生が

「いつも空き時間にトランプをやっている。前の人が出したカードの「しばり」を受けて次の人が同じカードを出していくというゲーム。今のリレーを聞いていて、あ、トランプの「しばり」ルールがここで発揮している、と感じて面白かった。」

とおっしゃって。

なるほどぉ。期せずして、「遊び」を「遊び」に生かせた形になった。


感情表現が表立ってこない子たちでも、その体と心の中には必ず動きがある。

それを今回は、確信させていただいた、嬉しい時間だった。

先生方の細やかな観察力にもリスペクト。

好い時間でした。






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