主体者に寄り添うとは
市民活動やボランティア、イベントの裏方などを何年かやってきたことからか、
時折「ご相談」を受けることがある。
相談をしたい、と思う方の内には、混沌とした想いが錯綜していて整理がつかない重苦しさがある。
こうしたら、というアドバイスは基本していない。
お話を聞き、情報を整理し、こうすべき、の想いと、こうしたい、の想いのギャップに気づきを持っていただく。
自分が、本当はどうしたいのか、優先順位は建前でなく本心でつけることができるか、
基本は、相槌と、共感と質問で、ご自身がご自身の中で整理がついていくのを見守る形になる。
そのうえで、主体者が、こうしたい、という想いが固まれば、そうできる方策を、これもアドバイスではなく
知っている情報の提供にとどめ、一緒に探しながら考えさせていただく。
介護ケアの実習でも繰り返し学んだことは、主体者に寄り添うということは、意思決定を完全に主体者にゆだねること。
ともすると経験則から先走り、慮り、効率を考え、渡す側が自身の判断を主体者に押し付けるという形になることを禁じている。
寄り添う、ということが、母性の悪性で、おせっかいになることをかなり自分に戒めなければ、なかなか距離を保つことは難しく。
受け手の私も、修行なんだなぁと、その都度思ったりする。
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