市から商工会議所へ出向中の山田崇さん。
今や塩尻のまちづくりには欠かせない存在。
30代独身、嫁立候補は後を絶たないが、本人は目下、仕事が恋人らしい。
彼が、他に類を見ない斬新手法で立ち上げた
「nanoda」は、じわじわと集客と認知を広げている。
この「nanoda」の活動開始にスポットが当たった日。
記事を見た一人の女性が、彼に、ながーいながーいメッセージを送った。
大門商店街の中核をなす老舗店
「いちた」のおかみ、松尾純子さんだ。
国内屈指の大手、オンワード樫山でその手腕を磨いた後、ご主人とともに帰塩し、「いちた」を盛り立ててきた。
時代の流れとともに元気がなくなっていく商店街には、憂慮を持っていた。
そこへ、この若者の活動が目に触れた。
この時点で、山田さんと松尾さんは面識なし。お互いを知らず。
松尾純子さんは記事の名を頼りに検索しfacebookで山田さんを発見。すぐさま、想いをつづった。
本来は、わたしたちが動かなければいけないのに、若いみなさんがお金を出し合って、空き店舗を借りて活動!
あの時は、もう、お礼もエールもお詫びもと、言いたいことがあふれて。
と、純子さん。
その、熱い、長あぁぁいメッセージを読んで。
山田さんは商工会議所のあるえんぱーく4階から階段を駆け下りウィングロードビルとの渡り廊下をダッシュ!。
息を切らして、いちたに飛び込み、目を丸くする純子さんめがけて
「ぼくです!」「ありがとうございます!」と声を上げた。
あのときは、こーんな(両手を上下に広げ)熱い長いメッセージが届いて、
これは返事を書くとかじゃない、会いにいきたい、今行きたい、と思わず走り出してしまったんです(笑)
と山田崇さんの述懐。
お互いの初対面話を嬉しく聴かせていただけたのは、
やっぱりnanodaのワインイベントの夜。
以来、純子さんはお仕事の合間を縫っては、nanodaイベントに顔をだし、自称記録係よ、と素敵な写真をアップしてくださっている。
そして、わたしもこのお二人に出会いをいただいた一人。
一昔前、ネットは匿名が主流で、リアル(現実)と離れたコミュニケーションが主だった。
ツイッターやfacebookの登場で、今、ネットは、リアルコミュニケーションを充実させるためのツールとなった。
言葉とハートとぬくもりと。
距離や時間を超えても、渡しあえて行く世界が、始まっている。