伝えるために-手話通訳士の世界-

のんたん

2015年11月10日 23:46

先日、聴覚障害のあるお二人の披露宴に出席。

旧知の通訳士、通訳者さんが勢ぞろいで、宴を支えていた。

晴れてご夫婦となられた素敵なお二人の写真は、新婦にお送りしたが、

ここではこの宴を支えた手話通訳士さんたちの動きを少し紹介したい。

当日の通訳は6人。依頼の新郎新婦との信頼関係も厚い方々のようだ。

ひっそりとしゃがむ彼女は、来賓の祝辞の読み取り通訳。 来賓は新婦の友人。

通訳の声は明るく柔らかく、この日の喜びを手話で語るご友人の手話とお人柄にしっかりマッチしていて

まるでその方が話しているかのように心地よく聴こえた。



テーブルクルーズの場面。背中が写っているのが通訳の方。

彼女は、各テーブルを回る新郎新婦の視線に必ず自分が入るよう

人の後ろから隙間を見つけ出しそこに自分を配する。そうして語りかける客人たちの声を通訳して届けていく。



テーブルに座っているこのお二人も、実は通訳の方。お式の通訳を担った後、披露宴ではひな壇前の客席に座り、

新郎新婦に席から通訳をしていた。座ったままの通訳なので後ろの席の人たちに邪魔にならず、違和感もない。



ご両家のご挨拶。

しゃがんでいる後姿は、新郎手話の読み取り音声をマイクで伝え、

お父様の言葉は立った通訳士が手話で伝える同時進行。



2次会までの待機時間も休まず、打ち合わせに入り。



立食パーティーの2次会、人の前に移動しては、手話を伝え、司会者のそばでは読み取りの音声通訳の声が響き。



もちろん、それぞれの場所に来客として手話のできる方がおられたので

聴こえる人、聴こえない人の相互コミュニケーションに困ることはなかったが

全体の流れ、進行を、この通訳チームが黒子のごとく支え盛りたてていたことに感動だった。

仕事だけど、愛だよね、愛。

伝えるために、技術がある。

伝わるために。愛がある。







関連記事