思春期中間教室。本年度最後の朗読授業。
今回の参加者は全員中学三年生女子。
教室日時点で全員進路先が決定していた。
はなむけ代わりに、今回の授業は「声の5つの要素」で遊ぶ。
内なる感情と表に出る表現がうまくリンクできないとき、
形から入ってみるのも有効な手段だ。
形に心がついてくることもあるから。
声の5つの要素。
大きさ、高さ、速さ、間、音色。
それぞれの要素に特化して、短い文章を読んでみる。
たとえば、大きな声で読む一文と、最小限の声で読む一文。
同じ読み手、読み方でも、聞き手にキャラが変わった印象を与える。
いきなり大声でといわれてもとまどうのでイメージを与える。
窓から見える本棟の屋上に友人がいてこっちに手を振っているよ、あの子に向かって声をかけよう。
指名された子は、周りが耳をふさぐほどの声で語りかける。
きゃーーっ♪と悲鳴と笑い声が起きる。
この子はいつも届く声で話す子なので、
つぎにその子に、小さな声で人と話すことがあるかと聞くと、
ほとんど、ないという。なるほど、小さな声にしてみると無声化(ささやき)してしまう。
そこでイメージを渡す。
さっきの友人が目の前のテーブルに、蟻の大きさになって立っている。
あなたの大きさにおびえている。ささやきだとその息で飛ばされそう。
小さくて、でもちゃんと息でなくて「声」で話しかけてみて。
息がかからないように声をかける。やってみて。
小さな小さな声がでる。
やってみると、「おーーーーーっ、別人じゃぁんww」
と、面白がるギャラリー。
やってみた子も、なんか自分っぽくない声が出た―♪と笑う。
他の4つの要素についてもみんなで試してみあう。
みな、爆笑しながらこなしていく。
受験が終わったあとの解放感も手伝ってか、しごく乗りが良い。
なんで、これが朗読技術につながるかっていうとね。
豊かな感情表現は、その時だけの演技ではなく、日常の表情や感情の豊かさが声につながっているか、がものをいうから。
自分の感情やイメージが表現できる声を意識できれば、感情やイメージも豊かになっていく。
感情やイメージが先で声が後から付いていく、というのが自然だけれど、ときにそれはリンクしなかったりする。
形から入ることで、連絡通路を確保してあげられることもあるんだよね、
豊かさを持たせるには、今回のように普段自分が使わない大きさ、速さ、高さを使ってみるといい。
すると「自分の声なのに、はじめての声」に出会える。
そこから領域が広がっていくんだわ。
うまく伝わらない、となやむ時、形からでもいいんだってことを体感してもらったの、
みたいな話をして、授業を終わった。
口々に超おもしろかったーといってくれたので、嬉しい最終授業だった。
最後にみんなで記念撮影をした。
ノリのいい子らなので、いろんなポーズを提案してくれて。
エグザエルのチューチュートレインポーズ、
一列に並んでオードリーの春日のトィース!ポーズ、など
専任の女先生とわたしと生徒ちゃんたち、新旧女子(笑)の面白集合写真となった。
来月は卒業を祝う会、それで解散。
7年目の外部講師も無事一年間務められた。感謝。