声で遊ぼうの日

のんたん

2010年02月19日 20:48

思春期中間教室。本年度最後の朗読授業。

今回の参加者は全員中学三年生女子。

教室日時点で全員進路先が決定していた。

はなむけ代わりに、今回の授業は「声の5つの要素」で遊ぶ。

内なる感情と表に出る表現がうまくリンクできないとき、

形から入ってみるのも有効な手段だ。

形に心がついてくることもあるから。

声の5つの要素。

大きさ、高さ、速さ、間、音色。

それぞれの要素に特化して、短い文章を読んでみる。

たとえば、大きな声で読む一文と、最小限の声で読む一文。

同じ読み手、読み方でも、聞き手にキャラが変わった印象を与える。

いきなり大声でといわれてもとまどうのでイメージを与える。

窓から見える本棟の屋上に友人がいてこっちに手を振っているよ、あの子に向かって声をかけよう。

指名された子は、周りが耳をふさぐほどの声で語りかける。

きゃーーっ♪と悲鳴と笑い声が起きる。

この子はいつも届く声で話す子なので、

つぎにその子に、小さな声で人と話すことがあるかと聞くと、

ほとんど、ないという。なるほど、小さな声にしてみると無声化(ささやき)してしまう。

そこでイメージを渡す。

さっきの友人が目の前のテーブルに、蟻の大きさになって立っている。

あなたの大きさにおびえている。ささやきだとその息で飛ばされそう。

小さくて、でもちゃんと息でなくて「声」で話しかけてみて。

息がかからないように声をかける。やってみて。

小さな小さな声がでる。


やってみると、「おーーーーーっ、別人じゃぁんww」

と、面白がるギャラリー。

やってみた子も、なんか自分っぽくない声が出た―♪と笑う。


他の4つの要素についてもみんなで試してみあう。

みな、爆笑しながらこなしていく。

受験が終わったあとの解放感も手伝ってか、しごく乗りが良い。

なんで、これが朗読技術につながるかっていうとね。

豊かな感情表現は、その時だけの演技ではなく、日常の表情や感情の豊かさが声につながっているか、がものをいうから。

自分の感情やイメージが表現できる声を意識できれば、感情やイメージも豊かになっていく。

感情やイメージが先で声が後から付いていく、というのが自然だけれど、ときにそれはリンクしなかったりする。

形から入ることで、連絡通路を確保してあげられることもあるんだよね、

豊かさを持たせるには、今回のように普段自分が使わない大きさ、速さ、高さを使ってみるといい。
すると「自分の声なのに、はじめての声」に出会える。
そこから領域が広がっていくんだわ。

うまく伝わらない、となやむ時、形からでもいいんだってことを体感してもらったの、

みたいな話をして、授業を終わった。

口々に超おもしろかったーといってくれたので、嬉しい最終授業だった。


最後にみんなで記念撮影をした。

ノリのいい子らなので、いろんなポーズを提案してくれて。

エグザエルのチューチュートレインポーズ、

一列に並んでオードリーの春日のトィース!ポーズ、など

専任の女先生とわたしと生徒ちゃんたち、新旧女子(笑)の面白集合写真となった。

来月は卒業を祝う会、それで解散。

7年目の外部講師も無事一年間務められた。感謝。



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