美しい老い方

のんたん

2010年09月07日 22:34

朗読ボランティアグループの創始メンバーのながこさん。

御年は80半ば過ぎ。

今年不慮の事故にあわれ、頭を強打。

命は取り留めたが、言葉を失うかも、という診断がつくほど、長いこと意識が戻らなかった。

奇跡的に、ご回復の兆しが出て、今はリハビリ用の病院に転院されているそうだ。

ながこさんは敬虔なクリスチャンであり、毎日曜日教会に通われてきた。

どこにでも自転車でさっそうとおでかけをし、後輩の育成にもあたたかい心を砕いてくださり

わたしも、彼女にいくつかの作品の校正をしていただいてきた。

博識をひけらかすことなく適切なアドバイスをくださり、スキルと心、両面を育てていただいたなぁと思う。

日舞と詩吟をたしなまれ、これらも指導者の域に達しておられた。

彼女の笑顔は、美しい。

指導は、優しい中にも芯があり、言うことは言う。凛としていた。

そして、かわいらしい。

ときにいたずらっぽく、ときに艶っぽく、うふふ♪と肩をすくめてお笑いになる姿は

あんなふうに年をとることができたら人生は成功、だなぁと思わせる姿だった。

転院までの入院中、仲間の何人もがお見舞いに伺っている。

まだ、言葉が出ず、記憶もあいまいな中での見舞であったにもかかわらず、皆がいう。

「にこにこと、声掛けを嬉しそうに聞いてくださり、うなずき、目を潤ませ、手を差し出し握ってくれて

見舞いを歓迎してくださった。

お見舞いに行ったはずなのに、なんとも幸せをいただいてきた気分だ」と。

菩薩の笑顔。お行きあいしてきた人たちは、彼女に神々しささえ感じてきたようだ。


かくありたや。ご回復と復帰を、心から祈って。



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