ネットからの付き合いだが、8年?くらい交流のあった北海道の友人がいる。
本州横断の旅の途中で立ち寄ってくれたこともあった。
精神障がい者の作業所を立ち上げ10年、奔走しているうちに彼自身が病んで
しまい、作業所を引き渡して退職、寝たり起きたりの暮らしになって。
マンションを買って1年目。ローンはある、職は失う、健康も害した、
と満身創痍になったそのときに、それまでずっと距離を置いて彼を見てきた女性が、
「わたしがいたほうがよさそうね。」と家財道具一式引き下げて
あれよあれよという間に、押し掛け女房よろしく彼のマンションへ引っ越してきた。
その間も仕事にいきながらの作業。
彼の言葉を借りれば「馬車馬のごとく」乱雑極まりなき男所帯を、さっさと二人暮らしの新居に整えた。
「そんなわけで、結婚するわ、おれ」 と電話をくれて、
「おめでとう」というと
「そんなんじゃねーよ」と返してきたが、まんざらでもなさそうで。
それ以来、音信はしていないが、ときどき彼のブログの更新を見ると
「相方」と書かれた彼女との暮らしぶりが、穏やかに見てとれる。
失業保険や疾病保険で暮らしは成り立っているものの、
観念して、最近、精神の障がい者手帳もとったらしい。
2級の判定。
すごいよなぁ、、いや、その彼女の愛し方がさ。
愛、燦燦と、だよねぇ。
彼が、病まなかったら。
彼女はずっと、距離感を持ったまま、彼を見守り続けて生きたのかもしれない。
彼のブログにアップされた愛犬を抱く彼女の写真は、顔の下で切れているので表情はわからないが、犬を抱くその手は、節のある、ほんとに「働いてきた」感じの手で。
その手を見た瞬間、頭が下がった。脱帽。
愛って、なんだろ。
きれいごとじゃなく、愛なんて声高に叫ばず
淡々と、燦燦と、ふりそそげるもの・・?なのかな。