親だからこそ
夫の変化。
おばあちゃんが、険しい顔をして因業を言っていた時期には
仕事が忙しいこともあって、自宅にいるときも、前の施設に入ってからも
なかなかおばあちゃんと顔を合わせなかった夫。
無理やり時間を作れば作れないこともなかっただろうけれど、
どうにも気が進まない様子にも見えた。
今の施設では、穏やかな顔になり、落ち着いてきたせいか、休みごと、面会にでかけるようになった。
私は、他人だし、そういうものだと割り切れるところがあるが、
長年の親子関係の中で「母親像」が崩れていくのを目の当たりにしたくない気持ちは
実の息子ならではだろう。
もし。実父に認知症状が来ても、私は動じないと思う。それは、わたしが娘だからだ。
母親に対する息子の心情は、また別物のようだ。
また、夫もおばあちゃんも年寄りと暮らした経験がないのでよけいにそうなのかもしれない。
なにはともあれ。
認知症状のある高齢者同士が少人数で暮らすグループホームの利点、
ピアカウンセリングのような会話が多く存在することがおばあちゃんにはとてもよかった。
はたから聴いていると、はなしは噛みあってはいないのだが、本人同士は相槌をうちあい、聴きあい
会話を楽しんでいる。
健常のものの判断のおよばないところで、コミュニケーションはちゃんと成り立っているのだ。
そういう様子を、夫はほっとしてながめてくるのだろう。
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