看取り

のんたん

2011年09月18日 18:14

父はきまりのよい人だった。

危篤の状態から何度も息を吹きかえし頑張ってくれていたのは、

みんなが揃うことができる連休を目指してくれていたのだろう。

今朝、息を引き取った。

泊り込んでくれていた上息子からのメールで病室に駆けつけると

ジャストタイムでモニターの波動がまっすぐに。

戦いの後、まだほてるように熱い身体をさすってお別れを言った。

叔母夫婦もかけつけてくれ、お昼過ぎには兄夫婦も到着し、

みんなで父を囲めた。

ながらくお世話になった看護師さんたちに見送っていただき

遺体はセレモニーセンターの別棟(家族棟)へ安置。

「おくりびと」スタッフさんたちが、丁寧にそれはやさしく湯灌をしてくれ、

持参したお気に入りだった着物を着せてくれた。

お風呂が大好きな人だったから、きっと気持ちよかっただろう。

穏やかな、よい死に顔で眠っている。

見守りは兄夫婦に任せて、居宅により、諸連絡などをになった。

これからセンターに戻りお寺様の枕経を終えたら帰宅することにする。

生後5ヶ月の兄の息子は、お嫁さんの腕の中で無邪気ににこにこしている。


下息子に夫を頼み飛び出てきた一日が終わる。

上息子は、父の湯灌を終えた足で、昨夜急逝した元同級生の通夜に向かった。

逝く者と、生まれきた者と、生きていく者と。

父の匂いが、まだ身に残っている。





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