定年の前倒し
亡き父の見守りか、ここ数日夫の体調が安定、
調理法も量も限定ながら食事らしい食事ができている。
うまいなぁ、、、としみじみ言いながら食べてくれるので嬉しい。
大好きな梨も出盛りになり、食卓にのぼる。
夫は食事をしながら
「こうしてさ、定年後にあっただろう暮らしを、1日でも2日でも多く、過ごさせてもらえてる気がするよ、ありがたいなぁ。」という。
そうだねぇ、定年したら、旅行へ行こう、あれもしようこれもしようと話してはいたけれど
出不精同士の夫婦、きっと実際にはこうして毎日家でご飯を食べて、
一緒に出かけるとしても近所の農協やスーパーくらいで
日がなおうちで二人でいただろうねぇ(笑)と返しながら
トイレに行き、泣いた。
庭木の剪定をしに脚立に上ると、窓辺から「あぶなっかしいなぁ、落ちんなよぉ」と声をかけられ
息子たちのワイシャツアイロンをかけていると「俺の分が減ったから楽だろうw」とからかわれ、
蒸しタイルで清拭をしてよもぎローションを背中に塗っていると「すまないねぇ」と昔話の老夫婦のような声色を出し、
買いだしにでようとすると、あれが食べたい、あれはもうあるかなぁとおねだりもいい
「どのくらいで帰る?」と独りになる時間を不安がる。
そして「あはは、定年ダンナによくある濡れ落ち葉症候群だよなぁ」と自分突っ込み。
ほんとにね、定年後生活の前倒しだねw
この時間、この一日、この季節、有難く生きる。
関連記事