コンビネーション?
絶妙なコンビネーションだわねw。
おう吐がひと段落し、荒い息の中で夫が笑う。
このところ、おう吐がひんぱんに来る夫。
水を飲むとき、体の向きを変えるとき、起き上がろうとつい腹筋を使ってしまうとき、
寝ていてふと手がおなかに乗ってしまうとき、
ちょっとした「やりそこない」で吐き気がきてトイレに急ぐ。
そばにいて、あ、きたな、と思うと先回りしてトイレのドアを開け、便座をあげ、
夫が来る前に身をひるがえし、飛び込んだ夫が吐き始めた背後に回りトイレ前に用意している椅子を腰の下にあてがう。
ほぼ同時に椅子に腰をおろして夫はおう吐を続ける。
長く立ってはいられないからだ。
落ち着くまで、背中をさする。
吐き終わったらうがいに用意しておいたコップの水を渡す。
過保護みたいだが、夫が自分でドアを開け便座を上げ、をしていると間に合わないことがあるので
いつのまにか一連の動きに呼応して先回り準備するようになった。
ベッドのそばにも、おう吐用にエチケットセットはしてあるんだが、
やはり、ベッドで吐くのは抵抗があるらしく、トイレに走る。
「黒子についてもらっているようだわ」と息を整えながらベッドに戻る夫。
ゆかいそうに言うので、おほほ、お役に立てて光栄しごく、と受ける。
吐き慣れしてきたらしく、最初の頃のような動揺や悲嘆も出ず、
脱水しなけりゃ大丈夫さ、と経口補保水液を補給しながら淡々といる。
今日食べられたのは、かぼちゃの煮物一口とヨーグルト、なめこの味噌汁少し。
なめこはとろみがでるので、飲みやすいらしい。
あとのおかずは、小鉢ごとに鼻先に運んで匂いだけを楽しんだ。
「これでけっこう食べた気になれる」と笑う。
おやつの時間にミキサーで作ったバナナジュースは時間をかけコップ1杯飲めた。
えらいぞ、戻さずに腸までいけよ、と自分の腹に話しかけてたりする。
「病み」との付き合い方は、ひとそれぞれ。
夫は、けっこう、うまい気がする。
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