すごみ
中身は変わっていないのに、風貌に「すごみ」が出てきた夫。
眉間の深い皺、うつむき加減でいながら大きく見開く眼、こけた頬。不精髭。
普通に話していても「怒ってる?;」と錯覚してしまう。
たたみかけるように話されるだけで、びくつく自分がいる。
以前は温和な性格とぽっちゃりやわらかい容貌のため、ときに「イケさんは甘いんだよ」と
上司に交渉談判の強さを求められたりもしていた。
でも昔は同じ職場にいたので、夫の仕事ぶりは、その甘さも含めてもっとも誠実なやり方だと知っている。
ねぇ、今なら、ひと睨みで、OKかもよ、甘いなんて言わせない迫力があるよ、
と、言ってみた。
すると、ふっと 破顔した。
あ、いつもの夫だ。ちょっとほっとする。
本人は、すごんでいる気もなければ、怖い顔をしているつもりもない。
いつもどおりでいる。
わたしが、慣れなきゃだめじゃんね。
成育史の中で「不機嫌」な顔にトラウマ持ちのわたしは、まず、その克服をしていかなければならない。
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