6つ年上のおとうと

のんたん

2011年11月30日 10:57

県外に住む義弟さんの携帯から家電に着信履歴があり。

仕事のお昼休みにかけてくれたらしい。

夫の携帯には負担をかけるからかけない方がと判断してくれたのだろう。

夜、電話をしてみた。

ひさしぶりに聴く義弟さんの声。

ああ、、、夫に似ている。元気なころの。。

先月、夫がベッドから携帯で現状を彼に電話していた。

見舞いは来なくてもいい。おふくろはそういうわけで認知症のグループホームに預けてあるが

良いところだから安心していて欲しい。

俺の葬式には足を運んでもらうことになるが、急報で驚かせるといけないので先に電話したところだ。

簡単に自分のことを話すと、後は体の弱い義弟さんの体調を心配し、仕事はどうだ、とか

頸椎のずれで手がしびれて仕事がきついというはなしに

整骨院じゃなくて整形外科へ行けよ?無理するな?と

義弟さんを心配する話に終始し、電話を切った。

その後やりとりはなかったのだが

義弟さんは普通に電話をし切ったものの、後からじわじわとさみしさというか感情が湧きたち

気持ちの持って行き場がなくて電話をくれた様子。

「長兄の逝去の時は、縁が薄かったせいもあって、そうか、、という感じだったが、兄貴(夫のこと)までと思うと、なんか、こう夜眠れなくて。子どもの時の思い出とかぐるぐるしちゃって。兄貴は見舞いに来るなと言っていたけれど、会いたい気もするし、兄貴の気持ちを無視しちゃいけない気もするし、どうしていいかわからなくなって電話してみた。」と。

心情は察してあまりある。

あなたが夫の立場だったらどうしてほしいと思いますか?と問いかけると

「う~ん、、俺だったら・・・やっぱり来なくていいというと思う。うちの嫁さんだけそばに置いて静かに逝きたい。」

「俺は、人づきあいは表面的にはこなすけど、深い関わりを人と持ってこなかった。内向きかもしれないけど究極、家族だけでいいタイプだし。けして嫌ってとかじゃなく、今の家族以外にどうしても死ぬ前に誰かに会いたいという欲求を持てないだけなんだけど。」

うん。

兄弟よね、そういうところも、似ているよ?たぶんあなたが考えたことがそのまま夫の心情だと思う。

そして「義姉さんが来るなと言えばいかないし、来た方がいいと言ってくれればすぐにでも行く。」と。

逡巡のすえ、わたしに判断を任せたい気持ちになったようだ。


ここで私の意思を前面に出して、来て、とか、来ないでとかを言う方が彼が楽なのかもしれないと思ったが、

私にも正直、判断がつかず。

「もし、夫がこの先、やっぱりあいつに会っておきたいと言い出したらすぐ電話するね。それでいい?」とだけ答えた。

少しでも、彼の心情のざわつきを和らげる会話ができただろうか。。。

私は父の闘病で、盆暮れのあいさつくらいだった実兄と密に連絡をとるようになり、父の枕元で昔話などをしながら

過去を共有する心強さを味わった。

父は、妹である叔母の見舞いに、懐かしい子どもの頃の母親の手料理の話等を楽しんでいた。

夫は、義弟さんとのそういう時間を、本当は持ちたいのか、

それとも、そういうことが無念や涙に変化することを避け、終末を平穏な心情でいたいと思っているのか、

健常の私と実兄の場合や、高齢で闘病の先に達観を持った父の場合とも比較できず、

考えているうちに朝を迎えた。

血のつながりに立ち入る難しさを想う。。。






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