2019年04月22日

もう一人の朗読士®小堀望


(撮影:Music Lovers.Tokyo)

タイトルに呼び捨てに名前を書きましたが、ごめんなさいね。

朗読士という肩書を名乗り始めてかれこれ15年。
5年前には一念発起で登録商標にしました。
申請を請け負う事務所さんとやりとりをしつつ半年かかりました。
それから、しばらくして、お互いに読みはまるで違うのに馬が合う彼女と出会って。
わたしが朗読士という造語を肩書きにまでしたいきさつに意気を感じてくれた彼女が2人目の朗読士になりました。

今回、その小堀望さんが主宰するお教室の発表会と兼ねて、あなただけに読む朗読会の第3回目を開催するに当たり、私をゲストで呼んでくれました。
その表現力を敬愛してやまない音師、嘉納雅彦さんにお願いしてご一緒に舞台をしていただきました。
朗読会は素晴らしい時間でした。
小堀さんは、生徒の指導者として、目配りをしつつ、自分も演者として舞台に立つのですから、ご苦労は相当のものだったはずです。
それだけではありません。主催をするということは、こまごまとした下準備も一手に引き受け、予算の算段もするということです。
チケットの申し込み先さえ、自分にして対応をしていました。
ふつうは、生徒の発表会だったら、もう裏方に専念するだけで目いっぱいです。
でも彼女は、さらりと、第二部をプロとして、ステージをこなしました。
お客様に、最高のおもてなしをしました。
朗読をするものが聴き手にする最高のおもてなしは、物語を堪能していただくことです。
聴き手は、語り手が導入でふわっとくるむようにいざなった物語というやわらかな器の中にすっぽりと包まれて、目の前に物語の世界が浮かんできて、息をのみ、感情が揺さぶられ、ときには涙腺がゆるみ、ときにどきんとしてエンディングで解き放たれて、はっと我に返るまでの時間を楽しんで。それからゆっくり席を立って日常にお帰りになるのです。
そのおもてなしを、渾身で成し遂げていらした。彼女の音師、このんさんのプロ魂は、彼女の声と一体化して共に物語を3Dに変換しつづけていました。
彼女の演目の間をつなぐように、わたしの読み時間がありましたが、まったく世界観が違う二人なのに、お客様は、そこに「聴く世界」の途切れを感じず、集中を継続して2時間を過ごして下さいました。

幕が上がってお客様の顔が見えた時、瞬時にそれが伝わってきました。
次への期待、まっすぐな視線、今度はどう来る?という乗り出し。息のひそめ。
それは直前の舞台のクオリティが、ひっぱったもの。
直前の彼女の朗読が、この空気感を作ったのです。

それがうれしくお客様がいとおしく、まるでアウェイであることを忘れ、親しくお話しを始めることができました。

彼女の魔法はもちろん第一部にも素敵に効いていました。
7人の生徒さんの朗読です。とてもよかった。
その方本来の持ち味をストレートに出すか、
冒険をさせるか、
解釈をとことんか、
背中を押し続けたか、
あなたは好きにやっていいもあったか(笑)
呼吸だけ指導あとはお任せ、があったかも。
そんなことを感じながら、
う~ん、いいなぁ、気持ちいいなぁと、聞き入ってきました。
ここちよい時間でした。

さっそく、朗読会後、生徒志願者からのアクセスがきたようです。

連日連夜、メッセンジャーでの長話も一段落。
すでにわたしたちは次に動き出している。
進みましょう。それぞれのフィールドで。
いつもありがとう。
(撮影:Music Lovers.Tokyo)

  


Posted by のんたん  at 03:09声仕事朗読とともに

2018年05月10日

表具師の新しい表現世界

飯島町への道すがら、楽しみにしていた明治36年創業。表具師 芳仙洞さんの 創作パネル展に行ってきました。

表具師の北岡さんとは、酒井慶二郎さんの個展でパーソナルストーリーを語らせていただいて以来のお付き合いです。

表現の世界を語り合えるときはそれがわずはひとときでも幸せな時間です。



芳仙洞HP」へリンク
  


Posted by のんたん  at 20:55表現を学ぶ

2018年02月27日

朗読士物語

朗読士®
商標【 朗読士 】登録第5553761号 
区分第41類 
商標権者 池内典江

こどものころから朗読をしてきました。
部活も放送部でした。いろんな通信添削講座はうけましたし、参考本もたくさん買ってきましたが
特定の師匠はなく、組織もなく、独学です。
NHKをはじめいくつかのコンテストで賞もいただきましたがトップに立ったことはありません。
よく言われるのは、読んでいるとは思わなかった、話してると思った、とか、「独特だねー」とか(笑)
わたしのは「すがお朗読」なのかもしれません。
だけど、ただただ好きでしてきたことが、いつのまにか仕事になっていました。
おかしいでしょう、子どものころから読むことが好きで楽しくて
夢中でしていただけだったのに、そのうちいろんな依頼が来るようになって、おもしろいからそのたび模索して作って本番して、を繰り返し。
喜んでもらえるのがうれしくてなんでも声の仕事は受けてきました。そしたら今度は講師の依頼が来るようになって。気がつけばこのまちで声のなんでも屋さんをしている。
この声で、原稿を読む、本を読む、新聞を読む。手紙を読む。絵を読む、風景を読む。
歌う人の想いを、楽曲の背景を、踊りの物語を、旅立つ人の伝えたかった心を、この声で読む。
わたしが声で読むものは、いつも誰かのために、誰かと誰かを繋ぐためにありました。
そして、声で読んで伝える仕事、人という字に寄り添う士の文字で表す朗読士という名称を使うようになりました。
その名称で6年前に商標を個人で取りました。
きっかけは亡き夫が「あなたはとてもいい世界を仕事にしたんだね、聞いてびっくりだった」と生前にいっていたから。
それまでほとんど私の仕事には関心がなかった人だったのでわたしもびっくりしました。
自宅療養で家にいるようになってかわるがわる地域の人たちからはなしを聞いて初めてわたしのしていることが理解できたといってくれました。それまではたんなる趣味だと思っていたみたいです。
そう、朗読は仕事にはならない、仕事じゃない。それが世間一般の見解です。
だから、朗読を仕事として生きると決めて、新盆に特許庁に申請を出しました。
半年後に登録が成せました。
朗読の世界にも流派みたいなものがあるようです。
わたしには師匠も組織もありません。でも、一言では表現しがたい「わたしの朗読」タイプはあります。それを人に押し付けるつもりはないけれど、同じように、風合いは違えど自分で作り上げてきたスタイルを個人で勝負している「士」な朗読をする人がいたら、そして不遜ながら、これだけ朗読を聴くことが好きな聴きオタクな私にその人のスタイルで鳥肌を立たせてくれる読み手に出会えたら。
望んでくださればご一緒に朗読士の名を使っていただきたいと思っています。(肩書としての無償使用許諾)
OKをいただければのはなしですが(笑)
誇り高き一匹オオカミさんのエンブレムにしていただけたらいいなぁと妄想しつつ、わくわく朗読をしつつ、聴きつつ、を続けています。
やっとひとり出会えました。つぎはいつでしょう。
出会えた彼女はここにいます。




  


Posted by のんたん  at 23:57思う声仕事朗読とともに

2017年12月10日

まちなか結婚式@佐久&石井真さんのはなし

ライブプロデューサー「石井真」さんのオファーで、佐久の岩村田商店街で行われる「まちなか結婚式」の司会をしに行ってきました。
(リハーサルの一場面)


初めて小海線に乗り、岩村田のまちに。すてきな新郎新婦さん。
実はこの挙式、地域発まちづくり支援金でとりおこなわれる「補助金事業」の模擬結婚式。
お二人は恋人でもない間柄ながら、
この企画のプランナー「小林理緒」さんの撮影と声がけに
どんどん恋する二人のように笑顔が輝いていきました。プロの力と、人の本来もつ輝きの相乗。
嬉しく司会をしてきました。
石井さんはお式のBGMを担当しておられました。 
いい曲選ぶなぁ。。

さて、その石井真さんは、たまに、そして、たいていが突然に(笑)、
素敵な企画を投げかけてくれる好青年です。



これまでにも、お正月に驚異の30分もの!の絵本の読み聞かせ企画や、
夕日の綺麗なレストラン、でもキャパ倍超ウエディング!、大階段で人前挙式!など。
 一瞬 「・・え?」と目が点企画に、
「どうでしょ(にっこり)?」と誘い込んでくれるのです。
そして、いつの間にかそれをどう成功させていこうか、(しかも短時間仕込みで)
わくわくさせてくれる流れをつくります。
そして、成功させちゃう魔法を持っています。
お客様もスタッフさんもクライアントさんも、笑顔いっぱい。



つまりは良質な「ひとたらし」の乗せ上手。
企画演出を担う立場の方に必要なのは斬新な発想力と行動力と、そして人を動かせる力。
次もぜひ、と相手から言わせるに至るまでの要所要所の「気配り」が、実は一番大きくものを言います。
花火は上げられても継続がネックで幾多の若き起業家が潰れていく中で、これができる人は大きく化けていきます。
類は類をよんで彼の周りには実力者が多いのも大きい。
彼は同年代のみならず、年代を超えて幅広い層の人たちと。良いお仕事を紡いでいます。
いろんなところで、タグづけや感謝が、彼を取り巻いている。
渡す人も受ける人も、幸せになる、そんな仕事の橋渡し。
素敵ですよね。

多方面に動き(他にもパテシエ・カメラマンでもあり)を持っている彼ですが、その橋渡し仕事がこちらです。

長野県の出張生演奏「エルアンドエフ」

  


Posted by のんたん  at 21:52声仕事

2017年12月06日

スペシャルなあなた

  

Posted by のんたん  at 21:22思う

2017年11月26日

「うらばなし:美しき水車小屋の娘 ~この素晴らしき人々~」


11月24日、素晴らしいアーティストお二人と舞台にあがらせていただきました。
会場入りは本番の5時間以上前。調律が終わった直後からお二人は音の響きを確認し合います。

4時間前からはリハーサル。
その間、音響さんが会場が反響が大きいホールでしたので語りのマイク調整を苦心してくださいました。
そしていったん、それぞれに控え室に戻ります。
私は、リハーサルの合せで受け取った「間」と語り口の調整を自室ではじめました。
すると、ずっと、モニターから会場のピアノの音が聞こえます。ずっとです。
いくども、同じフレーズの時もあり。ここで、こうかな、、こうかしら、という感じが伝わってきて、「どう寄り添うか」に最大限の腐心をしている「音」が心地よく、離れた場所でありながら「共有」の快感を感じてました。
かたや歌い手の彼は。歌い手としてではなくお客様を迎える主催者としてパソコン入力やら当日スタッフさんとの打ち合わせやら動き回っていました。
お手伝いにとこられた若き元教え子さんが阿吽でまたたく間に準備を整えていきます。
そして、本番直前、私は影アナ席に。5分前になってもまだ舞台袖に現れない二人をホールスタッフさんが少しやきもきし始めた頃。
スッっと、衣装に着替えた二人が袖にやってきます。
その瞬間の映像が目に焼き付いています。
切り替えの素晴らしさ。今までの裏作業がなかったことのように美しきプロが二人、そこに立っていました。
かっこよかったなぁ。撮りたかった。
そして本番です。
調律の先生が舞台袖で静かに、佇まい美しく座っておられました。アンコールが終わるまで静かにそこに。
アンコール後の鳴り止まぬ拍手を聴いてからおたちになりました。
自らがイベントを打つということは大変な労力と気力を使います。
今回のご盛況は、ひとえに主催者のお人柄と実力、そして「おもてなし力」がモノをいったのだと思います。
間近でそれを体感でき、寄り添いができたこと。光栄でした。ありがとうございました。
私には半年分かとも思われるほどの花に囲まれ、ようやく余韻の中にいます。




  


Posted by のんたん  at 14:06声仕事表現を学ぶ