2012年06月15日

感情解放

「迫力が出せない」と朗読歴3年目の彼女の悩みを聞く。

今年は講座のアシスタントに入ってくれている。

民話ラジオの朗読にも出演しているが、お化け物や切迫シーンに迫力を持たせたいが、うまくいかないと。

声を凄ませなくても、間の取り方や、トーン、スピードで緊張感はある程度作れるが

「声」そのものが柔らかくほわーんとしているので、それが利点でもあるのだけれど、本人はもう一皮むけたい気持ちが強い。

たぶん、彼女の中に無意識のバリアがある。

聞き取りをしてみると、人生で声を荒げたことがないという。

穏やかで、いつも柔らかに口角が上がり、技術はあるが控えめで前に立とうとしない。

人の感情変化に敏感で、仲間内ではいつもフォロー(とりなし)役になっている。

「口けんかとか、したことは?」

「ないです。」

長い人生、感情が波立つこともあったろうけれど、

それを表に出すことを性格も手伝って自分に禁じてきたのだろう。

強い声を出すこと自体に罪悪感が無意識に作動し、ブレーキがかかっているのだ。

講座の中での感情解放のワークを彼女のアシスタント当番の日に振り分けて

一緒に巻き込んでみようかな、と思ってる。







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Posted by のんたん  at 10:30 │声仕事

この記事へのコメント
時として外に感情を開放することは難しいと思います。
まずは、自身の内側に向かい合うことではないでしょうか。
「自分は苛立っている」という状態に気づき向かい合うことで一皮はむけるのではないかな。
「自分は苛立っている」けれど、それを表に出さずにニッコリっていう状況を自分で感知できれば、次の段階でそれをコントロールするというステージなのかと思います。

怒りを怒りとして表現しないことで何かのバランスをとっているとしたら、そのバランスに触れてしまうこと慎重にならざるを得ないと思います。

怒りを怒りとして表現しない
悲しみを悲しみとして表現しない
それは怒りや悲しみが弱いからでなく、もしかしたらその感情に気づくセンサーがなんらかフィルタされているのかもしれない。
センサーは感知しているんだけど、表現が上手でないのとは別の状況があるのではないかと老婆心ながら。

なーんてね。
Posted by blue at 2012年06月19日 22:41
buleさん

よいことをおっしゃる。さすが♪
内面バランスをくずさず、表現の幅を持たせるには、感情解放の「ふり」、つまり、演じる自分を構築する遊びをします。

「なりきり」です。
演じている自分なので、自分やない。
安心して、別人格として表現できていく入口を作ります。自己表現が苦手な不登校教室の子らにパペットを持ってもらうのもそのひとつ。

わたしも、素はのっぺらぼう。
10代前半ばりばりの不登校児童でした。
これではまずい、と思春期に喜怒哀楽を後から作り上げてきたところがあります。
形から入っても感情は後からついてくる。
嘘でも思い切り笑ってみれば、そのうちほんとにおかしくて笑い出してしまうように、脳は、体の動作に反応していくんですよね。(^-^)
Posted by のんたんのんたん at 2012年06月19日 23:01