2010年10月23日

朗読会でいただいたもの

朗読会が終わりました。

図書館のカウンターに10日前にちらしが置かれただけの、ちいさな「おとなの朗読会」

きっと、わたしたちがご連絡した知人しか来ないよね、とピアノを務めてくれたnamiさんと笑い合っていたけれど、

思いがけず、入場者の半分近くがフリーの方でした。

大好きな上田のお友達、杏花さんが来てくださり、もう一度見たかったあの笑顔を見せてくださいました。

杏花さんの笑顔は、左右対称の口角、優しい瞳、マネしてもできない天然の「幸福を渡す笑顔」の持ち主です。

シャンソンのプライベートコンサート以来、久しぶりにお会いできたあのときのメンバーの方々もお顔を見せてくださり、ありがたかったです。

Kさんはいつも旦那さまと一緒。睦まじいお姿にいつも夫婦のあり方を教えていただきます。

また今回は、図書館長が最初から最後まで聴いてくださって

終わるとすぐに「定期的に考えたいですねぇこういうの」とお声をかけてくださり。

なまものですから、ぷちアクシデントはあったものの、無事最後までお客様と物語を楽しむことができ、

ほっと胸をなでおろしています。

なにより、namiさんの「引き算の美学」に感銘を受けました。

初回の練習ではお話を聞きながらイメージをつくり、ずっとピアノを入れてくれていたものが、

聴き込み、作り込むうちに、どんどん音が減っていき、本番では、もう、ほんとに、ここ、というタイミングでのみ、

良い音をくださいました。 「ため」のタイミングもエンディングテンポの取り方も、ぴたっと寄り添って。

きれいに彩られたデコレーションケーキのような華やかな音づくりも素敵ですが

「おとなの朗読会」にふさわしい「シンプル」で、物語の素材の味にこだわった音づくり、

プレーンケーキのおいしさのような「音」を作り上げてくださいました。

その「おはなしへの姿勢」に胸が震えました。(勝手な解釈ですが、すみません;)

そしてもうひとつ嬉しかったのは、引き合わせたかった人と人を

この朗読会を通じてご紹介できたことです。

私の周りには、ほんとにすごい「感性の人」が何人もいて。

そのおさんかたを、朗読会の後、円にしてお引き合わせできたことです。

手話通訳という分野を超えた表現者である、みささん、舞踊家のゆうわさん、そしてピアニストのnamiさん。

この三人がそろって目の前にいる。 はじめましてぇと、きゃあきゃあと語り合いながら。

こんなすごい光景が今目の前にあるんだ。と、

わたしは、それだけで、にやけてしまって一人心の中でガッツポーズしていました。

アンケートでは、一般来場の方々からも嬉しいお言葉をいただけました。

できたばかりの施設で、まだ使いなれない音響使用の面でもご意見もいただけて。

なんとも、あったかい時間を、いただいた一日でした。

今回は最後のお話に「パーソナルストーリー」を語らせていただきましたが、

そのストーリーの主人公である友人がくれたアイヌ刺しゅうの羽織を着ておはなしを語りながら、

人と人が生きる、という意味を 改めて胸に刻んだ日でもありました。

視覚障がいのあるIさんご夫妻も来てくださっていて、

「これが、アイヌ刺しゅうなのねぇ・・」と

ゆっくり、わたしの羽織った羽織の模様を指でなでて、その隆起を愛でてくださいました。

お渡しした以上に、何倍ものあたたかさを、いただいた日。

お忙しい中を時間をやりくりしてスタッフとして詰めてくださった図書館職員の方々。

そこにいた全ての方が一緒に朗読会をつくってくださいました。


感謝です。全てに。  合掌。(‐人‐)




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Posted by のんたん  at 22:47 │声仕事

この記事へのコメント
今日は本当にすてきな時間を
ありがとうございました!
のんたんワールドをたっぷり味わえ、
嬉しかったです。
心が温まりました。
namiさんとの絶妙なコンビで、
美しい彩のコラボでした。。。
是非、またやってくださいね♪
Posted by ゆうわ at 2010年10月23日 23:47
ゆうわさん

お忙しい中を来てくださってありがとうございました。
あとで、図書館の方が「あの、のんたんさんと最後に話されていた、雰囲気のあるきれいな方、どなたですか?」とゆうわさんのことを聞いてきました。
あれが横田ゆうわです!と答えると
「あーーー!なるほど」と納得されていました。(笑)
Posted by のんたんのんたん at 2010年10月24日 00:02
すてきな時間を ありがとう。

引き算のピアノ・・・ 
のんたんさんのきもちと
namiさんのこころが
寄り添って できたのですね。
スゴイね!

のんたんさんのお友達に会えたことも
とっても 嬉しかったです!

大人を休んで 気持ちが 柔らかくなりました。
ありがとう (^^♪
Posted by takko at 2010年10月24日 08:02
昨日は、ありがとうございました。
「のんたんさん」の味わい方、作品の味わい方、色々堪能させていただきました。

そして、お客様お一人お一人の温かさ。
有難いですね。

何はともあれ、今回のお話をくださったMさんに感謝です。
Posted by nami at 2010年10月24日 10:59
takkoさん

お越しくださいましてありがとうございました。今回はnamiさんの胸をお借りして、素敵な時間をいただきました。
namiさんのこともそうですが、いろんなところで不思議にご縁がつながっていること、とても幸せです。
いつも温かいお気持ちをいただけていること、どうお返しして行けるだろうかと考えます。

精進します。
Posted by のんたんのんたん at 2010年10月24日 14:25
namiさん

namiさんのピアノの音色は「おはなし」に体温を持たせてくださいました。
ゆうわさんから「立体的なおはなし」という言葉をいただいたとき、音訳とは違った「朗読」世界の奥深さをも、精進したいと思いました。

おはなしひとつ終わった後の静寂で、「はぁ・・。」と深呼吸するような小さなため息が客席から漏れてきたとき、「ああ、一緒に楽しんでいてくださる」と温かくなりました。

Mさんと表記していましたが、お許しを頂いて「松本さん」と次の記事で明記してしまいましたが、ほんとに
読書アドバイザーの松本さんに感謝ですねぇ。
Posted by のんたんのんたん at 2010年10月24日 14:31
拝聴させていただきました。
のんたんさんの世界、素敵でした。
今まで私にはなかった世界。
心が清々しくなりました。
ありがとうございました。
Posted by れっくれっく at 2010年10月24日 21:58
れっくさん

いつもブログ拝見しています。

すごくうれしいです。来てくださってありがとうございました。
あがってしまい、早口になっちゃったかなぁと反省もありますが、お話の世界を一緒に楽しんでいただけてよかったぁ。

やっと、お会いできたんですね♪
あの席のあの方だ、と思いだせます。
ありがとうございました。
Posted by のんたんのんたん at 2010年10月25日 12:52
素敵なひと時、ありがとうございました

以前聴いたことのある
ピアノと語り、退屈・・・
と不謹慎なこと思いましたが
今回は引き込まれ
違いは何かな・・・と

きっと、お二人の優しさ、情熱、
独りよがりではない絶妙のコラボ
そういった点の違いかも

清々しい気持ちで味わってきました。
感謝!
Posted by shoko at 2010年10月27日 09:20
shokoさん

コメントありがとうございます。

表現者であるshokoさんにそんなお言葉をいただけるのはとても光栄です。
namiさんが「物語」を伝えるという部分にお気持ちを合わせてくださったお陰もあり、静かな時をお客様とご一緒できたこととても幸せです。
Posted by のんたんのんたん at 2010年10月28日 01:25