2011年07月10日

癒しの朗読


今年は、「朗読」を聴きたい、学びたい、というニーズが増えている。

出張朗読では、一般に、にぎやかなパフォーマンス(紙芝居や笑い話など)の読み語りのご希望が多いものだが、

今年は、「静かな時間の中で『朗読』を聴きたい」というオファーも出てきた。

また、学校や公民館講座としての依頼もこれまでは「読み聞かせ」が主だったが

今年度は「大人向け」の「朗読」を、というご依頼が。

昨年、初めて「大人の朗読会」をピアニストのnamiさんとさせていただいたが、

ご感想から、「ゆったりと日常を忘れる時間をもてた」「森林浴をしたような時間」

「物語を聴きながら、子どもの頃の忘れていた記憶がよみがえって涙が」

など、日常の喧騒から離れる時間をお渡しできた様子が見えた。

時代が、声に「癒し」を求めているのかもしれない。


ジャズバーで、ゆったりと生演奏に耳を傾ける時間。

アロマを焚いて、ゆるやかな光の中にリラックスする時間。

森の中で、木々の香りに包まれて深呼吸する時間。


同じように「心地よい声」が、音が、さりげなく、あたたかく、浸透していく、

それが朗読の癒し効果ではないかと思ったりする。


わたしがしていきたい朗読は。

舞台朗読のように、演劇的手法を駆使したものではなく

素朴に、話すように、さりげなく、深く。

伝える、のではく、伝えあうもの、であれたら、なんて大層なことを想ったり。


パフォーマンス朗読を目指したい方には、物足りない世界かも。

学びたい方たちに私の朗読論を押し付けることなく、選択肢をお渡しして行ける講座をしていきたいと思う。



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Posted by のんたん  at 10:11 │声仕事

この記事へのコメント
『学びたい方たちに私の朗読論を押し付けることなく、選択肢をお渡しして行ける講座をしていきたいと思う。』

さすが、のんたんさん。

押しつけでなく選択していただくと言う事は、CS(customer satisfaction)にも通じる事です。

書道の講習会でも、同じことが言えます。
それぞれの学びたい課題に対して100%の回答はできません。
時間内に8484の伝えたい事を学習していただき、その中から自分に合ったものを選択していただく、という姿勢で取り組んでいます。
Posted by 84848484 at 2011年07月10日 13:53
8484さん

そうですねぇ。
それぞれの学びたい課題に対して100%の回答は難しい。
わたしも技術に入る前にいろんなワークを体験していただくなかで、自分にとっての心に残る声の出し方はなにかを探っていただく形をとっています。
ほんとうに欲するものはなにか、を少しでも感じていただけたらその後の学びの方向性が見えていくのではないかと。
Posted by のんたんのんたん at 2011年07月10日 16:20