2011年07月11日

彼女の声

昨年度の講座に限って、初回からポータブルレコーダーを買い込み、音声を録音していた。

今にして思えば、この、彼女の声を残すためにだったのか

と、事後解釈をしたくなるほど。5年も講座をやってきて昨年に限って「録音」をしたくなったのだ。

先だって天国へ旅立った友人の声。

視覚に障がいのある彼女には、朗読ボランティア養成講座の初回にいつも、

「見えないということ」についての講演をお願いしていた。

講演前の打ち合わせは、いつも漫才のようになって、笑いっぱなし。

講演そのものも、「あいの手をいれてよねw」と彼女にいわれていて

時々突っ込みをいれながら笑い声が出る講演風景だった。

彼女の遺族にお渡しできればと、その音声の編集をしている。

いきいきと、生前の彼女の声が耳に響く。

まだ、いないことがぴんとこない。

電話をすれば、「はぁい。もしもしぃ~。」と受話器の向こうに声が響くのが

当たり前のような気がしてならない。

ああ。

好きな人の声は、癒しだ。

人の声は、ぬくもりだ。

そうなんだ。

ありがと、ね。。。



タグ :視覚障がい

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Posted by のんたん  at 22:24 │声仕事

この記事へのコメント
私も、その、ぬくもりのおすそわけ頂けましたら、嬉しいです!
そして何より、ご遺族が喜ばれるでしょうね。

のんたん、ありがとうございます。
Posted by ゆうわ at 2011年07月12日 22:53
ゆうわさん

ありがとうございます。
編集し終えたら、ゆうわさんにもお渡ししますね。今聴くからこそ、ああ、、と感じる言葉もあり。
Posted by のんたん at 2011年07月12日 23:36
「今聴くからこそ、ああ、、と感じる言葉もあり。」……。
えぇ、えぇ、わかります…!
音や声というものの持つ世界観
の深さを、
彼女とのんたんは共有してらっしゃった
のでしょうね。
是非今度お聞かせください♪
Posted by ゆうわ at 2011年07月13日 21:43
ゆうわさん

お友達がたくさんいた彼女です。
どの方も「彼女との特別」を抱きしめていらっしゃるのだと感じます。
そういう心の渡し方をする方でしたね。。。
Posted by のんたん at 2011年07月13日 23:06
声というのは、その人をあらわす一番のものなんですね。
「自分の声を残す」ということを、これからも考えていきたいものです。
Posted by ぶんぶん at 2011年09月19日 11:54
ぶんぶんさん

コメントありがとうございます。
亡くなった方の生前のビデオを見ても、体がダイレクトに反応するのは映像とともに流れる故人の「声」だったりします。
なによりも、その方のぬくもりを感じる瞬間。
残った声は残された者にとってもありがたい贈りものですね。
Posted by のんたん at 2011年09月19日 12:08