2012年11月09日

貧乏性のたががはずれるとき

結婚して初めて親戚の集まりに参加した、夫の実家の法事。

兄嫁さんが湯沸かし器を使って茶碗を洗ったらお姑さんが

親戚衆の前で「あれはお湯をジャージャー使って洗い物しよるからたまらんわ!。」と

舌打ちをしたのを聞いて

「このうちではお湯を使ったらあかん;」とドキドキした鮮明な記憶。

それまで、穏やかな祖母と、よくいえば「おおらか」つまりは超おおざっぱな母しか

女家族を知らなかったわたしは、

お姑さんの、思ったことをきつくいう(夫の実家は建材屋だった)気質に、びびりまくっていた。

のれんに腕押し、糠に釘を貫ける兄嫁さん、孫ほども年の離れた現代っ子の弟嫁さん、

一番おばあちゃんが御しやすかったのは、へたれでびびり屋の真ん中嫁の私だったのだろう。

よくあそこまで彼女の言いなりというか、いうことを聞いていたものだ、と

いくぶん心臓に毛が生えてきた今は思う。

一事が万事、あたかも軍曹と歩兵、という関係だったような気がする。

その生活が身に沁みついて、今は軍曹様はもう家にはいないのに

いまだ、洗い物にお湯を使うと罪悪感があったり。

入浴も湯船のお湯で頭も洗って上がり湯だけシャワー、なんて癖が抜けなかった。

ところが、独りでいる時間に他の部屋も電気をつけっぱなしにする生活を自分に許したあたりから

この「箍(たが)」が外れはじめ。

映画のシーンのように「ふふ~ん」とばかりに、始めからシャワーを浴びる贅沢を知り。

茶碗の洗い桶に残った水を次の漬け置き洗い用に残しておく、おばあちゃん流を振り払い

さっさと古水を捨てて桶を乾かせる心地よさを堪能し。

サランラップは一度使いで捨てられるようになった(笑)

大出世だ。


わたしは、姑になってもきっとこのへたれのままだろう。

だから、息子が結婚したら、

松の林のかげの小さな茅葺の小屋に居て、なんて「雨ニモ負ケズ」よろしく

隠居家を探したいと思っていたりする。


気兼ねせず、文句も言わず、言われず、苦にもされず

そういふひとに わたしはなりたい。

(笑)




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Posted by のんたん  at 19:38 │日記

この記事へのコメント
私の母も昔の人で、ちょっと細かかったりしていました。

ただ、一緒に住んでいなかった事もあり、妻とはうまくやっていました。

私は何故か、ずっとうまく絡む事が出来ず、結局は母の最期の時も、すべてしてあげるという事が出来ないまま、逝かれてしまいました。

何故なのか、今でもわかりません。
実の親子なのに。
今も父とも、なんかやっぱりうまく行きません。

そんな事はどうでも良いですね。
少しずつ自分のペースで良いので良いのではないでしょうか。
Posted by オザの塩尻ブログオザの塩尻ブログ at 2012年11月10日 18:36
うちの同居人もけっこう細かいです。サランラップは捨てないし、いつの間にか、携帯の充電器はコンセントから抜かれてます。救いは、向こうがこちらのだらしない性格をなかばあきらめてくれていることかな。こちらも適当に受け流すし。

ぼく方の実家に帰省しても、マイペース、けっこう上手く行ってます。両親にとっては、しっかり者の嫁がいて良かった、息子も多少見習ったらどうだ?という感じのようです。はあ。
Posted by 知り合い at 2012年11月10日 22:10
オザさま

スープの冷めない距離、というのがベストだとよく言いますね。お風呂もトイレもお勝手も、一つずつの3世代同居は、なかなか大変ではありました。そこに法事や盆暮れで親戚が集まると洗面所もトイレも争奪戦状態で、今にして思えばにぎやかな暮らしでもありました。
わたしも実家の親とはうまく絡むことができず、尽くせたのはどちらの親も看取りの時期でした。そんなものかもしれません。
Posted by のんたんのんたん at 2012年11月12日 04:09
知り合いさま

奥様との関係、いいですね。

素敵だと思います。

必然の伴侶、という気がします。

あなたが奥様の堅実を評価するように、あなたのおおらかさがまた、奥様には魅力なのだと思います。
Posted by のんたんのんたん at 2012年11月12日 04:11