2013年05月06日

断ちきりの難しさ

いるものといらないものを分ける。

自分の内面と向き合う時間。

荷物の山はほとんどが資料。

分けてなお、ちっとも減っていないような気がする。

数日、数週間置いて、また分ける。

何度も、何度も繰り返して、やっと少しずつ減っていく。


思いきることってほんとに難しい。

過去を整理できるということは、未来に備える自信の強さ。

整理できない、というのは、もしかしてこれが必要になるかも、これも、あれもと不安になるからだ。

明日の自分を信じる、これまでの自分への蓄積を信じる、がなかなかできない。

なにも持たずに生まれてきたのだ。

何も持たずに死んでいくのだ。

それでもなお、そばに置きたいものはなんだ。

執着の根源はなんだ。

自問自答を繰り返す。

なにひとつ、捨てられなかった亡き母を思い出す。

自分の物も親の物もその親の物も全部引き取っては物置や部屋に詰め込んでた。

信じられない荷物の山を片付けた日々を思い出す。

いなくなった人の痕跡を整理する時間は大変だったけど対話の時間でもあった。

息子だからなぁ、わたしみたいな遺品整理の仕方はしないだろう。

どさどさっと捨てておしまい。

とすれば、ちょっと思い出に浸れる程度に、なにがどこにあるかわかるくらい、整理に飽きないくらいの分量で

そんな基準を自分に設けてみたりする。

まだ生きるつもりで残し、でも先はわかんないしと捨てる方に戻し、を

繰り返す。

人生の後半期は、複雑なお年頃だ。









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Posted by のんたん  at 01:22 │日記

この記事へのコメント
片づけずに千年そのままにしておいたら、民俗学者が大喜びするかもしれませんね。
(失礼、新幹線の背もたれに挿してある雑誌が、新潟の縄文遺跡の紹介だったのです。)

書籍やらCDやらがいまだに部屋にあふれていますが、蓄積というよりは、抜け殻というか垢ですね。
家族の生活をまもることが生活の第一の目的となってしまうと、たら・れば、の感傷にひたっている余裕は無くなりました。でも、その状況に見合うだけ自身を律しているか、というと?
でも、甘えかもしれませんが、自分は自分のできるようにしかできない、とも思います。
蟻であろうともキリギリスであろうともナメクジであろうとも。

アンモナイトという生物が昔々の海に生きていたことは、その殻がのこっていることから分かります。でもその体は化石として残るにはやわらかすぎたのか、足が何本あったとか、どんな姿をしていたのか、とかは推測することしかできません。
Posted by 片づけられない病者 at 2013年05月06日 17:11
これはまたお名前を書くのに困るお名前でのご投稿(笑)

ありがとうございます。
家族の生活をまもることが生活の第一目標。

ああ、いいなぁ。するっとその言葉が出てくるあなたが、とても好ましい。

母の遺品は先代からのものがすでに明治大正世界の物もあり、このまま息子の子がおじいちゃんになるまで放置してくれれば、せめて資料館のガラスケースの中にくらいまでは出世するかしらん。

推測の世界って、ロマンですねぇ。
Posted by のんたんのんたん at 2013年05月06日 23:00
よーくわかります。この連休に、押入れ含めて 一部屋を片付けました。自分の物は、どうするか決められるけど 亡くなった人の物は決めかねて 片付けが進まない。しかし、物の多さに ため息ばかり。
どこかで思い切らなきゃ‼暑くて、動けなくなるまでにね、、。
Posted by さとまみ at 2013年05月08日 18:25
さとまみさま

うんうん。いなくなってしまった人のものは、手を付けるのに、ものすごーい気力が要りますね。戻ってしまう。
2人暮らしなのに、その二人の荷物より
8人分以上の荷物がひしめき合っています。
Posted by のんたんのんたん at 2013年05月08日 21:18