2015年07月23日
ひろあきさん


「ひろは、いそがしいんか。」
うん、忙しいみたいで、なかなかけえってこんよ、これんでごめんなぁ。
「ほおか、あれもあいかわらずよういじゃねぇな」
まぁ、ありがてえこんじゃん、忙しいってことはさ。
「ほれもそだ。おりもきょうは、いちんち 豆 なってさ、ごしたくなっておいたとこだ」
(豆なる?の意味がいまだにわからない)
ほうかね、そりゃごくろうだったねぇ。
「ひろにさ、こんどあれ、煮てやってや。」
ああ、あれね、はいはい。(あれってなんだろう)
おばあちゃん。
このところの面会は、不穏もでず、私を認識できて会話も成り立つ。
施設の空調は快適だが、車いすに座る彼女の足元は冷たくなっており。
会話の間、手ですねを包んでさする。
「あー、ぬくとくなってきた。あんとあんと。」
暑い外から来た私の手は結構な温度になっていたので、アンカがわりにちょうどよく。
夕食の時間が近づき、よいにおい。そちらに気がいっているうちに、ばいばい。
ひろは、ね、 ひろあきさんはね、帰ってこんのよ。 もうね。ずっとね。
でもね。もうすぐお盆だからね。
夢に来るかもしれんよ、ばあちゃん。