2016年03月27日

てあて

てあて


友人が4月の頭にお引越しするので、少しだけ荷づくりのお手伝いにうかがっている。

帰り際、彼女が掃除機をかけている間に、しばらくの間お母様の体をさすらせていただいた。

「あら、どこかでお習いになったの?」「気持ちいいわ」と喜んでくださるので、

おしゃべりしながら、お背中から腰、足の裏から手のひらまでのフルコースになり。

なんだか、幸せだった。

手のひらを、あてる。さする。もむ。対象の部位が、あたたかくなっていく。

お顔を見ながら、お話お聴きながら、ゆっくりと、「手」あてをして行く時間は。

してさし上げながらも、いただいている時間なのだとも思う。

かつて。

母に、父に、夫に、その背中に、足に、腰に。この手のひらは動いた。

時は、永遠を許さない。ずっと、こうしていたいとどう願っても。

だが、幸せだった時間を、手の感触の記憶として残してくれている。

時間は、残酷だが、優しくもある。

彼女のお母様をあたためながら、わたしは、私の家族の体温を、思い出すことができていた。

ありがとうございます。



タグ :てあて療法

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Posted by のんたん  at 00:25 │思う