2015年06月18日

8年目のTV



父の遺したTVをマンションを整理するときにもらってきた。

その機種がリコールが出たらしく、基盤を取り替えにメーカーの方が来訪。

作業中、このTVがうちに来た経緯を話したり、リコールの原因をお聞きしたり。

視聴回数も図れるらしく、今視聴回数は14000台とのこと。8年目なら2万代も珍しくないのでまだまだ現役続行できるらしい。

「8年目にしては奇麗ですよ。よく映ってる。この機種は故障もけっこう出るんだけど、不具合もない。あたりでしたね。」

そうなんだ。

お父さん、もうしばらくあなたの観ていたTVと一緒に暮らせそうです。

ありがとね。

ときおりは父の好きだったチャンネルで懐かしい洋画も、観たりしている。

その昔、うちにテレビが初めて来た時、父がアンテナを窓際に設置してくれた。

どきどきして映った画面を見て、ちょうとげげげの鬼太郎(白黒)が映って。

調整中の父に、幼子の特権で「あーパパー!、いまいいところ、動かさないでー」とか叫んで。

「おぃおぃ、番組終わるまでずっと手でもってろってか。」と苦笑しつつ、夢中で画面に食い入るあたしのために

しばらく窓辺に座ってアンテナを持ったまま、いてくれたっけ。

今さらに思いだす。甘えさせない人だったけど。そっけないひとだったけど。

愛してもらってたんだなぁ。

ありがとう。ありがとう。

テレビを、なでなでした。





  

Posted by のんたん  at 12:11日記思う